「今日この頃」2014年のバックナンバーです                     トップページへ


6月30日「私も中央地域公共交通再生について質問へ」

 今日は、追加議案第20号として議題となる「中央地域公共交通新会社出資金に関する補正予算(案)」について本会議が再開されますが、私も発言通告をしていますので、15分間の持ち時間で「土佐電鉄と高知県交通の会社統合と中央地域公共交通再構築」について質問させて頂きます。
 先週3日間の本会議で、多岐にわたってやりとりがされていますが、この間県民の皆さんから頂いた御意見をもとに、 「統合後の利用者増加などの課題」「新会社移行におけるいくつかの課題」「財産処分の関係について」「従業員の処遇の課題について」「県が出資者として、責任ある立場を果たす上での新会社経営体制のあり方」「土電・県交通両社統合議論の契機となった要因とその今後について」など、新会社運営の参画にあたる県の決意など15分間の持ち時間で質問をすることとしています。





6月29日「公明よ自民の軍門に降るのか」

 いよいよ公明党は、自民党の軍門に降り、両者の打算で、集団的自衛権行使容認の閣議決定が7月1日にも行われようとしています。
 昨日の公明党の地方代表による懇談会では、何がどう決まったのか不透明なまま、党内の異論に蓋をしたかのような徹底した情報管理がされているが、支持者にはもちろん政権与党である以上国民に対する説明責任の欠如としかいいようがありません。
 今回だけは、許しがたい裏切り行為として歴史に刻まれることになるのか、そうならずにすんだということになれば、いいのですが。
 怒りの持って行きようのない日々が続きますが、諦めてはいけません。取りあえず、閣議決定が危険視されている7月1日(火)12時20分から、開催され。市役所前の「集団的自衛権行使容認の閣議決定に反対する緊急集会」に結集しようではありませんか。
 蟻の一穴を許さないハンス少年になるために。





 「アリの一穴」という言葉がある。堅固な堤防がアリの小さな穴がもとで崩れるように、ごくわずかなことが大事に至る例えです。
 堤防監督官の息子ハンスは、お父さんがいつも「わたしの仕事は本当に大切な役目だ。この堤防が蟻の穴ほど崩れても、オランダ中が水浸しになってしまうかもしれないのだ」と言っていたのを聞いていました。
 そのハンスが、天気の悪い堤防の内側で、一箇所水が流れている所を見つけ、助けが来るまで間、自らの腕を差し込んで水をとめて、オランダを救ったのです。

 集団的自衛権をめぐる安倍晋三政権の姿勢を見ていると、長年の議論で築かれた安全保障政策の堤防に、この「アリの一穴」を意図的に開けようとしているのではないか、としばしばたとえられることがあります。

6月28日「『土電・県交通統合決定』受け、出資金議案審議へ」

 昨日、土佐電鉄と県交通、土佐電ドリームサービスの定時株主総会がそれぞれ開かれ、一時、午前10時から始まった土電の株主総会が通常より長くかかっているということで、総会の議論状況も気にかかる面がありましたが、結果的にはいずれも経営統合に必要な議案はすべて承認されました。
 真面目に会社を愛し、支えて下さった株主にとって、権利消滅という大きな負担を甘受しなければならないという苦渋の判断のきっかけとなったのは、県民の足を守るため、持続可能な公共交通システムとして再生していくという大局的な判断を優先してくださったということでしょう。
 株主さんのそのような思いを受け止め、債権放棄をされた金融機関、そして、運行を支え続けられてきた従業員の皆さんとともに、新会社の出資者となる自治体、県民、利用者が一体となって、再生スキームの実行と今後の運営の中で、県民・利用者に愛される公共交通として発展していくことを注視するとともに、そのための県・議会の役割は今までにもまして大きくなることは間違いありません。
 30日月曜日には、追加議案第20号として「中央地域公共交通新会社出資金に関する補正予算(案)が提出されますので、それを受けて本会議が再開されますが、私も発見通告をしていますので、15分間の持ち時間で「土佐電鉄と高知県交通の会社統合と中央公共交通再構築について」質問させて頂きます。新会社運営の参画にあたる県の決意などを質していきたいと思います。
 今日も、今から議会に出かけて、質問項目の整理を行うこととなります。


6月27日「もう一つの株主総会」

 沖縄電力を除く原発を持つ大手電力9社は昨日、一斉に株主総会を開きました。今年は初めて9社すべての総会で「脱原発」を求める株主提案が出されました。政府が4月に決めたエネルギー基本計画で、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけたことも背景に、電力各社は、業績改善や電力の安定供給などを理由に原発を必要とするして、提案をいずれも否決しました。
 四国電力の株主総会でも、「未来を考える脱原発四電株主会」のメンバーは、原発を事業から除外する定款に変更するなどの議案を提案したが、千葉社長は、伊方原発の「一日も早い」再稼働について、全力を尽くすと強調する再稼働ありきの姿勢に終始したとのことです。
 この国は、原発再稼働ありき、戦争をする国へと、国民の意思と真逆の方向へと疾走しています。
 今日は、もう一つの注目すべき株主総会が相次いで開催されます。土佐電鉄と県交通の株主総会では、共同新設分割計画書承認案件などが議論されます。この株主総会で議案が可決されれば、それを受けて、議会は新会社への出資金議案を追加提出することとなります。
 本会議でも4人の議員がこの件に関してすでに54問の質問をされていますが、再度追加提案を受けて、30日に本会議質問が行われます。
 私も、質問通告を行う予定です。

6月26日「中央地域公共交通関連の質問相次ぐ」

 昨日の代表質問では、登壇された三人ともが、中央地域の公共交通に触れられ、多岐にわたって質疑がされました。
 これしかないといわれる再構築スキームだが、利用者にとってメリットを感じる利便性を実感できるようになるには、新会社発足後2年以内のバス路線の抜本再編抜きには、具体化しそうにありません。
 さらに、持続可能な公共交通として再生することが求められてはいるものの、少子高齢化が進行するもとでの利用者減という前提を払拭できない限り、効果が出ても行政負担は増加したり、路線の削減縮小ということになりかねないことなども想定されています。
 それだけに、県民・利用者の声をさらにさらに踏まえた「極めて公益性の高い公共交通の維持」のために、どのような方向性を目指すのかについての議論が深められる必要があるのではないかと考えながら、今日の質問戦のやりとりに真摯に向き合っていきたいと思います。

6月25日「今日から本会議質問戦」

 ここ数日、東京都議会における女性蔑視ヤジを巡って都議会をはじめとした自民党政治家の発言に見られる本質的な問題について言及されているところですが、そんな中で、東京都が、人権施策を推進するための基本理念や具体的な取り組みを定めた人権施策推進指針を来年に見直す方針を決めたことが発表されていました。
 2000年の策定以来、14年ぶりの見直しで、インターネット上の中傷など人権をめぐる状況の変化に対応するとともに、20年開催の東京五輪・パラリンピックを見据え、人権尊重の姿勢を世界にアピールする狙いがあるといわれています。
 足下の議会でこのような姿勢が見受けられる都の人権施策を見直しても、世界からは完全に見透かされてしまうのではないでしょうか。
 今日から、県議会質問戦が始まります。中央公共交通のあり方や高校再編問題などは複数の議員が取り上げられる予定ですが、私は一般質問の機会はありませんが、27日の土電・県交通の株主総会の結果を受けて追加提案される5億円出資の議案に対しては、申し出れば15分間の持ち時間で質問の機会がありますので、一般質問で明らかにならなかった部分について質問したいと考えています。
 写真は、記事と全く関係ありませんが、昨日からはりまや橋に登場しているアンパンマンの石像です。自転車で前を通ると、「行ってらっしゃい、今日も元気で」と声をかけて頂くような気分になります。







 

6月24日「安倍政権の本音・本質を吐露する者たち」

 今回の自民党都議による女性蔑視ヤジについては、発言の主が一人だけは名乗り出たが、複数の発言者はダンマリを決め込んでおり、まさに自浄作用のない自民党という組織の一面を著しているとも思えます。
 追い詰められ名乗り出た鈴木章浩自民都議は、それまでの釈明とは大きく矛盾した陳謝に終始しており、「辞職に値する」とインタビューに答えていたにもかかわらず、会派離脱で済まそうとしており、複数の発言者を抱えた自民党会派もトカゲのしっぽ切りで終わらせようとしています。
 しかし、このようなことで、終止符を打つようなことになれば、再度繰り返すことになるのではないかと思われます。
 また、今回のヤジは、塩村都議に対するというよりも、晩産化や非婚化の進む中、妊娠や出産に悩む全ての女性に対するものだと言えます。
 「成長戦略としての女性の活躍推進」などという政権与党の中に、女性蔑視ヤジのような本音がある限り、晩産や非婚の背景にある、厳しい雇用や低賃金などの問題にこそ向き合うことは極めて難しいのではないかと思わざるをえません。
 過去にも、2003年に太田誠一衆院議員が早大集団レイプ事件について「元気があるからいい」と発言し、07年に柳沢伯夫厚生労働相が「女性は産む機械」と述べるなどの女性蔑視発言があったが、今や安倍政権のお粗末さの象徴とも言える自民党閣僚・幹部による発言(左図は朝日新聞6月24日付朝刊より引用)が相次ぐ中、我々はその発言を単なる失言として看過するのではなく、この政権の持つ本質として厳しく糾弾する必要があるのではないでしょうか。









6月23日「集団的自衛権行使容認大半が反対の世論調査」

 今朝の新聞には、集団的自衛権に関する世論調査が出されています。
 高知新聞の共同通信調査では、集団的自衛権の行使容認への反対は55・4%で半数を超え、解釈変更によって行使を認める考えに反対との回答は57・7%で、賛成の29・6%を大きく上回っています。さらに、行使を一度容認すれば、容認の範囲が広がると懸念する回答は62・1%に上りました。
 朝日新聞の調査では、集団的自衛権の行使容認「賛成」28%を反対が56%と二倍にのぼっています。しかも、自公協議で追い込まれている公明の支持層では7割近くが「反対」の意思表示をしています。解釈変更に対しては、「適切ではない」と答えた人が「適切だ」とする17%を4倍ほど上回る67%と大きく上回りました。
 しかし、いずれの調査でも、内閣に対する支持率は共同通信調査が52・1%で、朝日新聞は43%と前回調査を下回ってはいるものの、まだまだ不支持率を上回っています。
 生存権さえ脅かされる集団的自衛権行使容認について反対の声が大きいのに、それを強行に推し進めている安倍政権を支持している国民の思いに疑問を抱かざるをえません。
 今一度、福井地裁における大飯原発の運転差し止めを求めた訴訟で指摘された「生存権、人格権に優先する国富」はないとの考えを捉え直してみる必要があるのではないでしょうか。
 今後、国会は閉会した中でも、自公の協議は継続していくとすれば、今まで以上に国民の声が届かない形での議論が強行されかねません。
 これからが、踏ん張りどころで、何としても閣議決定に歯止めをかけるための世論を高めていくための取り組みを強化していきたいものです。






6月22日「地震対策、土電・県交統合新会社問題で意見交換」

 昨日21日(土)高須ふれあいセンターで第50回県政意見交換会を開催しました。土曜日午後4時からと言う時間帯で、雨も降るという悪条件の中、ご出席頂いた方々に感謝です。
 今回は、私の方から50分ほど、これまで取り組んできた県政課題や議会改革の課題や高校再編、中央公共交通新会社課題などに加え、6月議会に提案された補正予算も説明した後、40分ほど意見交換をさせて頂きました。
 会場からは、「津波避難ビルについて、指定されたから安心と言うことでなく、逃げた後の過ごし方について避難者が安心できるような仕組みを作って欲しい」「南海トラフ地震対策の取り組みの進捗状況をIT弱者にも分かるよう情報提供してもらいたい」「企業や病院、保育所などの高台移転だけでなく、住宅の事前高台移転に対する支援について」「土電に県職員OBなどが天下ってきても経営改善につながらなかった中で、相変わらず新会社にも県から取締役を送ることに対する責任はどのように考えているのか」などの御意見を頂きました。
 帰りには、「いろんな疑問について、詳しく聴けて良かった」との声も頂き、感謝するとともに、また、次へとつなげて行きたいと思ったところです。
 次回第51回県政意見交換会は、議会修了後の7月12日(土)午後3時から旭・木村会館で開催いたしますので、よろしくお願いします。



6月21日「命を守る」

 昨日は、6月定例会開会後の昼休みに市役所前で開催された「郷土の軍事化に反対する高知県連絡会」呼びかけの安倍政権が閣議決定を急ぐ集団的自衛権の行使容認に反対する緊急集会に参加し、200人の仲間とともにデモ行進も行いました。私も前日に知った集会でしたが、怒りと危機感を抱いた多くの市民が参加されました。
 夕方は、高知大学医学部で開催された災害医療講演会に出向き、東日本大震災時に災害医療コーディネーターとして石巻赤十字病院で活動された東北大学の石井正先生の「石巻医療圏における東日本大震災への対応と次への取り組み」についてお話を聴かせて頂き、大変参考になりました。
 昨年8月にも石巻赤十字病院を訪ね高橋災害救護係長にお話を伺っていましたので、より詳しくイメージアップしながら聞くことができました。高知県も災害時医療救護計画の見直し検討を行っていますので、より現実的な計画の見直しとそれを現場で具体化できる人材を育てていくことが求められるのではないかと思ったところです。
 さあ、今日は、午後2時から県立病院と医療センターに働く労働組合の皆さんの交流会で「地域医療を担う労働者としての働き方を見直す」と題して、皆さんに期待することを話させて頂き、4時からは高須ふれあいセンターで行う
第50回県政意見交換会で県民の皆さんと県政課題について意見交換をさせて頂きます。
 6時過ぎに終わった後には、「子育て支援ネットワークオレンジ高知設立準備会」の皆さんやタイガーマスク基金安藤代表などとお目にかかることになっています。
 戦争させない、災害医療、子育て支援、全て命を守ることに通じると思います。
 今日も一日学びの一日です。

6月20日「6月定例会開会」

 今日から6月定例会が開会です。知事が、提案説明で集団的自衛権行使容認など国政課題についてどのように言及するか。土電・県交通統合新会社のスキームや中央公共交通のありかたや南海トラフ地震対策など県民の皆さんの関心ある課題についても、提案がされます。今回は、本会議質問の機会はありませんが、27日に中央地域公共交通新会社出資金に関する補正予算の追加提案があれば、場合によっては30日に質問を行うことになるかもしれません。
 午後は、高知大学との意見交換会、そして、夜は高知大学災害医療講演会のため、南国市岡豊の医学部キャンパスへと向かいます。災害医療講演会では、3.11直後石巻赤十字病院で災害医療の最前線で奮闘された現東北大病院総合地域医療教育支援部教授で宮城県災害医療コーディネーターの石井正先生の「石巻医療圏における東日本大震災への対応と次への取り組み」と題した講演を聴かせて頂く予定です。






6月19日「『津波避難計画書』は『逃げる』第一歩」

 昨夜は、第3回下知南地区津波避難計画策定協議会が開催され、下知地区減災連絡会事務局長として出席してきました。
 昨年11月中旬にスタートして、フィールドワークなどを通じて、地域を防災目線でチェックして3月下旬の第2回で、意見反映をして、今回に至りました。
 今後、昨夜出された地域からの意見を反映させて、最終報告書となり、「避難行動支援マップ」は各世帯に配布されることとなります。
 マップができるに従って、避難行動支援の姿に濃淡が現れています。それは、防災会の組織化や日頃の防災活動の濃淡を反映したものであり、地域の防災・減災力の課題でもあります。
 この昭和小校区津波避難計画書を一旦完成させても、今後の具体的な取り組みで検証・補強していかなければなりませんが、その際、昨夜も欠席していた地区があるだけに、検証の欠落するエリアのないよう、減災連絡会でカバーしあった取り組みをしていきたいと思います。
 これまで、江ノ口川南岸沿いの町内では、防災会が組織されていませんでしたが、東弥生町・丸池町が休止状態の防災会が活動再開をしましたし、昨晩は出席してくれていた日ノ出町、宝永町などの防災会活動の組織化に向けた取り組みの支援が地域の支えで行っていくことが求められます。
 そんなことも確認し合える下知地区減災連絡会第3回総会を7月6日に控えて、議案書配布を始めています。
 それと並行して、土曜日に控えた第50回県政意見交換会(高須ふれあいセンター)の準備も急がなければなりません。21日土曜日午後4時からですが、ぜひお立ち寄り下されば幸いです。




6月18日「札束で張ろうとするこの国の姿勢」

 原発再稼働へと走る安倍政権閣僚の本音はこんなもんだと思わされる発言を看過するわけにはいきません。
石原環境相の原発事故の汚染土の中間貯蔵施設をつくるにあたっての「最後は金目でしょ」と地元との交渉を金で解決すると取られかねない発言をした問題発言に対して、菅官房長官は、石原伸晃環境相に関し、「(進退問題には)当たらない」とコメントしています。
 地元では、帰りたいけれど帰れない、伝来の土地を手放したくないけれど、再び住める見通しはないなど葛藤しながら避難を余儀なくされている15万人の方達に心を寄せれば決して口には出せない言葉のはずです。
 まさに、住民の頬を札束で張ろうとする姿勢は、沖縄県名護市長選の際に見せた自民党石破幹事長の500億円振興基金構想と共通するものと思わざるをえません。
 そして、そこには福井地裁における大飯原発の運転差し止めを求めた訴訟判決の「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富」とすることを理解しようとしない安倍政権の本質を見た気がします。
 その安倍政権が、いくら「日本人の命を守る」と繰り返しても、集団的自衛権行使で守ろうとしているのは、彼らが優先する貿易黒字など経済利益の「国富」であることを国民はしっかりと見据えた闘いが求められています。





6月17日「国民の労働・暮らしより企業の利益優先の成長戦略」

 昨日提示された新成長戦略素案では、企業の競争力強化策や法人税減税をはじめ、女性の活躍の推進や子育て支援の拡充、新しい働き方の導入、医療、教育分野などにわたって盛り込まれたが、その背景にあるのは、国民の暮らしを豊かに成長させるものではなく、大企業を一層潤わせるためのものでしかないように思えてなりません。
 まさに、安倍首相の眼中にあるのは、「日本を世界で一番企業が活動しやすい国」であって、そのためには、表面上は「女性の活躍の推進や子育て支援の拡充、新しい働き方の導入」などと言っても企業活動のための女性や労働者の使い捨てを進めるものだと言えます。
 政府は、昨年の成長戦略を踏まえて、今年の3月から「労働移動支援助成金」制度を大幅に強化しましたが、高知県などはこの制度は決して労働者雇用のために効果は上がらず、むしろ高知県などにとっては有用であった「雇用調整助成金」制度は、予算を大幅に削減されてしまいました。
 この「労働移動支援助成金」制度で恩恵を受けているのが、リストラを進めたい企業と産業競争力会議のメンバーの竹中平蔵が代表取締役をつとめる「パソナ」等人材派遣会社なのです。
 そこには、小泉構造改革の時の「我田引水型規制緩和」の手法が「アベノ成長戦略」においてもしっかりと踏襲されていることが見て取れます。
 こんなやり方で、「壁」に穴をあけられてはたまったものではありません。
 労基法の趣旨に立ち返って長時間残業の改善から始めるべきであるにもかかわらず、「時間ではなく成果に応じた賃金制度」残業ただ働き制度などが横行し始めたら、この国は、国自体がブラック企業化してしまう可能性の「おそれ」のある新成長戦略案に対して、働く者は闘いを挑む必要があるのではないでしょうか。







6月16日「陸前高田の桜ラインを自分の生活・心の中にも」

 昨日は、高知県サイクリング協会総会に出席し、サイクリングイベント重視の施策だけでなく、自転車を街作り・健康作りの中にどう生かすかなどのご意見を頂いた後、高知大学でドキュメンタリー映画「あの街に桜が咲けば」を観た後、防災のトークセッションも聴いてきました。
 映画「あの街に桜が咲けば」は、岩手県陸前高田市内で津波到達地点に桜を植える活動を行うNPO法人桜ライン311や、陸前高田市長などのインタビューを通し、東日本大震災を経験した人間の思いと減災意識の喚起を伝えるメッセージ力のあるドキュメンタリー映画でした。
 会場での監督の話やフェイスブックに書き込まれていた「陸前高田の人々はそれぞれ悔しさを抱えて、大切な人を守れなかった自分の減災意識を震えるほど悔やんでいます。そして、それを発信しています。この映画を通してその一端が皆様に届き、優しく深く皆様の心に刺さって少しでも抜けないことを願っております。」ということを、しっかりと受け止めておきたいと思います。
 上映実行委員を務められた学生の皆さんの今の思いを継続して取り組んで頂く中で、高知の防災・減災人材は必ず増えていくことだと感じたところです。
 私も「自分の生活の中に、心の中に自分なりの桜ラインを」築いていきたいと思います。そして、災害が起きたその日に、大切な人を失って、悔しい思いをしないために、今まで以上に、精一杯備えていきたいと思います。
 そんな思いが、昨夜の防災会役員会では、少し強く出てしまったような気がします。今、やれることは先送りせず、備えていければと思います。



6月15日「国民の知性と良心で自公の憲法ハイジャックを許さない」

 昨日は、高知弁護士会主催の憲法講演会で、小林節慶應大学名誉教授の「内閣による憲法解釈の変更で集団的自衛権を認めることは許されるのか?」と題した講演を聴いてきました。
 講師は、初っぱなから「おバカな安倍ちゃんの家庭教師集団による安保法制懇」の報告書にもとづいて「日本国憲法などないかの如く自公のばかげた議論」で閣議決定がされたときには、我々「国民安保法制懇」が、「見解を出して冷や水を浴びせてやろうと思っている」「9条があったから69年間戦争をしてこなかったのは、素晴らしいことで、それをかなぐり捨ててアメリカの2軍になって戦争へ行こうとしている」今や「安倍独裁国家になろうとしており、何としても止めなければならない。そのためには主権者たる有権者が政権を奪うしかない」という痛烈な安倍批判を展開しました。
 その後、解釈の変更によって、権力者を縛っている立憲主義を踏みにじり、自公が憲法をハイジャックしようとしていること。憲法9条は、明確に、わが国の海外派兵を禁じていること。集団的自衛権の本質は、他国を守るための海外派兵であること。「放置すると自国の安全保障に重大な影響が生ずる可能性がある場合」とは、むしろ、個別 的自衛権の文脈であり、尖閣有事、朝鮮有事、シーレイン防衛は、個別的自衛権の文脈で十分に鋭明できること。そして、閣儀決定の後には、立法過程、憲法訴訟、総選挙がある、主権者国民の知性と良心が問われていることについて訴えられました。
 例え話に、少々頷けない部分はありましたが、「正しい主張をする人が多数派を占めるしかない。最終的には有権者が決める選挙しかない」ということをしっかりと肝に銘じた運動を展開していきたいものです。


6月14日「マンション生活継続計画(MLCP)の検討に」

 昨年、3月頃以来、マンション生活継続計画(MLCP)について、時々取り上げることもありましたが、昨年度から国土交通省の事業として「マンション管理適正化・再生推進事業」がスタートしています。
 この事業は「新たな管理適正化方式や、東日本大震災を踏まえた新たな防災対策等マンションにおける課題の解決に向けた合意形成等の成功事例の蓄積を通じ、今後増大することが予想されている老朽化したマンションの管理適正化・再生推進に向けた環境整備を図る。」ことを目的としており、マンションの管理適正化・再生推進にあたっての課題解決に向けて管理組合における合意形成をサポートする取り組みなどを公募・支援し、成功事例の収集・分析などを行う事業内容ですが、中には「被災時のマンション生活維持のための環境整備にかかる事業」もあります。
 昨年、この事業を実施した「一般社団法人マンションライフ継続支援協会MALCA」から、私の住むマンション自主防災会に対して、今年度事業の応募についての打診があり、昨日MALCAの飯田専務理事との打合せを行いました。
 飯田さんは、昨年1月にマンション防災会で開催した防災講演会の講師でお招きして以来のお付き合いでしたが、少々びっくりしているところです。
 今後、この事業の支援対象として採択されたら、津波浸水地域・長期浸水地域におけるマンションの在宅避難のありかたや津波避難ビルとしての機能強化面での計画づくりになるのではないかと期待する面もありますが、応募に向けては、まだまだいろいろな議論と準備が必要です。
 まずは、明日の防災会役員会で、議論をしてみたいと思います。



6月13日「集団的自衛権行使容認『72年見解』根拠はありえない」

 集団的自衛権行使容認について、自公は国民無視の妥協策として「72年見解」を根拠に限定行使で歩み寄ろうとしています。
 1972年の自衛権に関する政府見解は「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態」に限り自衛措置が認められるとしているが、同時に、「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と結論づけています。
 しかし、自公は集団的自衛権行使容認の根拠として、一部の都合の良い部分だけをつまみ食いしようとしているのは明らかです。自民党高村副総裁は必要な自衛の措置で「必要最小限度の範囲」に含まれるものなら、集団的自衛権を行使しても「今までの政府解釈の法理は受け継ぐことができる」と主張し、「ほんの一部を変えるだけだ」とも主張していると言います。そんな勝手な権力側の理屈が憲法解釈でまかり通るなら、何だってできるし、「ほんの一部」などで事は終わりません。
 今朝の朝日新聞では、元内閣法制局長官・阪田雅裕氏が、「そもそも集団的自衛権は、ちょっとだけ使うという便利なものではない。行使は戦争に参加することだから、日本が「必要最小限度の範囲」で武力を使ったつもりでも、相手国にとっては敵国となり、日本の領土が攻撃される恐れもある。憲法9条、あるいは前文や13条をどう読んでも、集団的自衛権は否定されているという結論にしかならない。行使を認めるなら、それは憲法解釈とは言えず、憲法の無視だ。政府や自民党は72年見解を持ち出してきているようだが、解釈を変える論理としては耐えられず、まともな法律論ではない。」と断じています。

 とにかく「容認ありき」の集団的自衛権行使の論議には、徹底して抗うしかありません。



6月11日「『平和憲法キャラバン隊』で集団的自衛権行使容認反対訴え」

 一昨日、昨日と県下で取り組んだ戦争をさせない平和憲法キャラバンは、昨日の報告集会で一旦終了したが、その間にも「憲法の番人」として政府内で歯止め役を担ってきた法制局が集団的自衛権の行使容認の了承へと方針転換をし、公明党との合意調整も押し切り、なんとしても今会期中に集団的自衛権行使容認閣議決定へと正面突破する安倍政権の意志が明確にされるなど、その動きは加速化しています。
 昨日、キャラバンカーに同乗し、高知市内中心ではあったが、9カ所での街頭からの訴えに対して、「安倍のやり方にこじゃんと腹がたっちゅうき、頑張って。」という励まし、「安倍首相に手紙を書きました。」と言ってくださる聴衆の方が署名をしてくれたり、近くで訴えを聞いてくださった方に署名をお願いすると「私も用紙を持って取り組んでいます」という方がいたりと、確かな手応えも感じる一方、まだまだ危機感を共有できていない層の方も多いことも感じられました。
 憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を容認することは、「立憲主義に対する挑戦であること」「専守防衛に徹し、自衛のために必要最小限の防衛力は持つが軍事大国にはならないとする日本の基本政策を大きく変質させ、周辺諸国にも影響を与えること」「事実上、アメリカが主導する戦争に日本が参加していくことを意味する」ものであり、戦争放棄を掲げた「平和国家」日本の根幹を変えるものであり、断じて許すことはできません。
 昨晩も、電話で防災のことをお話しされていた方が「坂本さんもいろいろと忙しいろうけんど、とにかく集団的自衛権行使容認反対には先頭に立って頑張ってよ」と言われました。「集団的自衛権行使容認反対・解釈改憲NO」の声をもう一回り、大きくしていくことに県民・国民の皆さんとともに取り組んでいきたいと思います。


6月10日「『平和憲法キャラバン隊』県内を走行中」

 これまでにも何度かご報告してきた土佐電鉄の路面電車を使った車体広告の「平和憲法号」運行を土電が拒否した問題で、今回はそれに変わる取り組みとして平和運動センターなどともに平和憲法ネットワーク高知では、昨日から、「憲法9条を守ろう」「解釈改憲NO!」などのステッカーを貼ったキャラバンカー4台で構成する「平和憲法キャラバン隊」を走行させています。
 今日までの2日間で、県の東西を走り、集団的自衛権行使容認への反対などを訴えています。
 昨日も多くの参加者に見送られ、東西コースそれぞれのコースで、集団的自衛権行使容認の閣議決定の動きが加速化されているだけに、戦争する国、9条の空文化、立憲主義否定を許さないための県民の決起を精一杯訴えてきたところです。
 昨夕には、四万十市で、キャラバン隊を出迎えての集会も行われ、約50人を超しての参加者が集団的自衛権行使容認反対、特定秘密保護法廃止に向けて闘い抜く決意が確認されたようです。
 今日は、私も東コースに同乗して、県民に訴えさせて頂いた後、午後6時からの高知市役所前で報告集会にも参加していく予定です。
 どうぞ多くの皆さんが、報告集会に参加して頂けますようお願いします。






6月9日「大津地区で県政意見交換会」

 昨日、午後4時から大津ふれあいセンターで第49回県政意見交換会を開催させて頂きました。
 日曜日の午後4時からという時間帯にもかかわらずお越し頂いた方々に感謝です。
 1時間少々の私からの報告の後、3人の方から50分ほど意見を頂きました。「国の政策が、都市部中心の政策で、高知などには生かせない政策が多いのでは。」「医療・介護・保育の人材不足は何とかならないか。」「土電・県交通統合新会社の経営主体は。路線の見直しなど利用者にとって住民の足としてのメリットを感じられる提案を。補助金頼みではない経営改善を。割高感のある料金設定が利用減という悪循環の解消を。」「南中・高校の統合については、中高一貫校のあり方や今までの学区制の問題など、課題・問題点を拾い出し丁寧な議論を尽くすこと。」「もっと議員は、地域の隅々に足を運んでこのような会をして欲しい。」など、貴重な御意見ばかりでした。
 次回は21日(土)午後4時から高須ふれあいセンターで開催させて頂きます。次回は6月定例会議案が提案されて以降ですので、6月定例会に関する報告が多少多くなろうかと思いますが、多くの皆さんのお越しをお待ちしています。
 今日から「戦争をできる国にしない憲法キャラバン」が始まりますので、9時からの出発式に出席して、スタートにあたっての挨拶をさせて頂きます。今国会で「集団的自衛権行使容認閣議決定」を強行しようとする政権の動きに何としても歯止めをかける、高知からの取り組みにしていきたいと思います。私も明日はキャラバンカーに乗車しますが、沿道からのご声援よろしくお願いします。





6月8日「集団的自衛権解釈改憲加速化に抗して」

 昨夜は、平和憲法ネットワーク高知と平和運動センターの主催で平和フォーラムの福山真劫さんを招いて「今日の憲法情勢と戦争させない1000人委員会の果たす役割」と題した学習会がありました。
 自民党内での「安全保障法制整備推進本部」の会合で、講師として呼ばれながら非難の集中砲火を浴びせられた元内閣官房副長官補柳沢協二氏の近著「亡国の安保政策」は、「日本にとって最大の危機は安倍政権」であると指摘されていることから講演は始まりました。
 集団的自衛権行使の解釈改憲による容認は、立憲主義・憲法9条の破壊であり、戦争への道を突き進むために、安倍改憲の3本の矢として9条改憲、96条改憲、解釈改憲と放たれてきた中で、「集団的自衛権行使の合憲化と憲法論との関係」「憲法9条空洞化の歴史」「米国の日本支配」「安倍の集団的自衛権合憲化の内容の変転」「与党協議開始」という流れに対して、我々の闘いはどうあるべきかと言うことが話されました。
 ここにきて一気に今国会期内に閣議決定しようとする動きが加速化し始めています。「紛争地域で外国軍と一緒に血を流せ」「同盟国のために血を流せ」という戦争する国に、時の権力者の判断だけで行うなどということは絶対許されるべきではありません。
 特定秘密保護法についても審議がされればされるほど問題点が拡大し、国民の反対世論が高まる中で強行成立をさせたという政権側の「教訓」から、国民の反対世論が高まる前に一気に憲法違反とも言える「閣議決定」を強行しようとしているのではないかと思わざるをえません。
 だからこそ、我々は県民・国民と早急に反対の取り組みを展開しなければなりません。「戦争させない1000人委員会」の取り組む「戦争をさせない全国署名」運動も急ぎたいと思います。
 高知では、この「戦争させない1000人委員会」とつながる「平和憲法ネットワーク高知」が明日から「戦争をできる国にしない憲法キャラバン」を県内で展開します。
 明朝9時からの県民文化ホール前出発式にご参加頂くとともに、道中キャラバン隊への街頭宣伝にお集まり頂ければ幸いです。

6月6日「県政意見交換会近づく」

 県西部では記録的な豪雨で、浸水被害も出ており、今朝の中央部の雨量の多さも少し心配しております。大きな被害が出なければいいのですが・・・・。
 週末を迎え、8日(日)16時からの第49回県政意見交換会の準備中です。県政意見交換会も2004年4月29日に開始して以来、市内各所で開催してきました。
 参加者の皆さんとの意見交換に臨むための準備と頂く意見で、自分なりの考え方も整理できるし、随分参考になります。これまでにも、意見交換会で頂いた御意見を踏まえて議会質問で取り上げさせて頂いたこともたびたびです。
 今後も県民の皆さんの目線で、頑張っていきたいと思います。
 ところで、明後日開催する大津ふれあいセンターに行くたびに思い出すのは98豪雨の時にボランティアで活動する際の拠点となっていたことでした。当時は、私も40代前半の体力自慢でしたが、水をたっぷり吸い込み異様に重たい畳を片付け、昼休みには道路に寝転んで疲れを癒していたことを思い出します。今日の雨が、あの時を再現することのないように願っています。
 私の県政意見交換会は、中央地区以外は、あちこちのふれあいセンターやコミュニティセンターをお借りしてやることが多いのですが、その地域の方だけに参加を限定しているわけではありません。
 丁度、この日この時間帯が都合いいとか、6月議会で多分議論が集中しそうな土電・県交通統合問題はどうなっているんだろうかなど聞いてみたいと思われたら、ぜひ足をお運び下さればと思います。よろしくお願いします。


  第49回県政意見交換会
  8日(日)16時から
  大津ふれあいセンター

6月5日「米軍参加訓練と米軍ヘリ不参加の背景は」

 陸上自衛隊が実施中の防災訓練「南海レスキュー」の一環として、昨日参加予定の米陸軍輸送ヘリUH60ブラックホークの訓練は、悪天候のため中止となりました。
 昨年の10月、そして今年の2月のオスプレイ参加で県民に懸念を抱かせた日米共同防災訓練でも悪天候を理由の不参加に続く今回の不参加に、「えい加減、米軍をあてにしな」という県民の思いが通じたのではないかと思わざるをえません。
 これまでの高知での訓練におけるオスプレイ不参加は、単なる悪天候ではなく、「安倍首相の靖国参拝が米国の虎の尾を踏んだとの警告ではないのか」と指摘する東京新聞編集委員半田滋氏は近著の岩波新書「日本は戦争するのか−集団的自衛権と自衛隊」の中で「在日米軍の奇妙な動き」で詳細触れているので紹介しておきたいと思います。

−引用開始−
 在日米軍をめぐる奇妙な出来事は、首相の靖国参拝と無関係だろうか。二月十日、都心の日本プレスセンターで行われた在日米軍のアンジエレラ司令官の講演会は「司令官は雪のため来られない」という主催者の説明から始まった。
 東京に二十年ぶりの大雪が降ったのは二日前の八日だった。講演当日は前日に続いて晴れて道路に雪は残っていなかった。記者でいっぱいになった会場では「われわれが来ているのになぜ、来られないのか」「不測の事態が発生しているのか」との疑心暗鬼が渦巻いた。
 講演は東京郊外にある横田基地との間を電話で結び、声だけで行われた。講演後、最初の質問はこんな内容だった。
 「米軍は世界最強と理解している。そんな米軍の危機管理に不安を覚える。なぜヘリコプターで来ないのか、飛べないならなぜ、車で来ないのか」
 横田基地から都心に来る高級将校は米軍のヘリコプターを使い、六本木の在日米軍基地「赤坂プレスセンター」まで来て、草に乗り換える。
 アンジエレラ司令官は「今回は記録的な大雪だった。われわれは雪に馴れていないので、都内で交通事故を起こすわけにはいかなかった」と、雪の影響と強調した。繰り返すが道路に雪は残っていなかった。
 米軍をめぐるおかしな動きは、ほかにもあった。
 場所は変わって同月七日、高知県。南海トラフ巨大地震を想定した日米共同防災訓練で、米軍は当日になって新型輸送機オスプレイの派遣を含め、すべての訓練への不参加を通告してきた。急きょ、プログラムが変更され、日本側だけの訓練となった。
 オスプレイは当日朝、配備先である沖縄県の普天間基地から山口県の岩国基地を経て、飛来する予定だった。防衛省によると、米軍は天候不良から参加を取りやめたという。
 沖縄は晴れ、山口は朝にみぞれが降ったものの、沖縄、山口とも民間の定期便は予定通り、飛んだ。高知は雨だったが、自衛隊や高知県のヘリコプターは問題なく飛行した。オスプレイの飛来に反対していた市民は「この程度の天候で飛べないのか」と驚いたようだ。
 昨年十月、滋賀県であった日米共同訓練は台風二十六号による風雨の中、オスプレイは飛来した。だが、高知の訓練は真冬だ。冬の荒天時には飛べないのだろうか。製造元のボーイング社は「マイナス十七度からセ氏五十度まで極端な温度の中でのテストをし、合格している。いかなる気象条件のもとでも運用できるように設計されている」と否定する。
 では、不参加の本当の理由は何なのか。オスプレイは二月から三月にかけて新潟、群馬両県での日米共同訓練に参加する予定だったが、一月中に米側がキャンセルした。在日米軍は「昨年十一月、台風被害に遭ったフィリピンに派遣されており、演習参加に必要な飛行訓練が実施できていない」と説明するが、日米共同訓練は、フィリピンから日本に戻って三カ月も後に実施される。この間に飛行訓練ができないはずがない。
 米国防予算は歳入不足による強制削減が始まっている。だが、在日米軍司令部は「日本との協力関係に影響は及ぼさない」と明言しており、予算不足が不参加の理由とは考えにくい。
 在日米国大使館関係者は「本国からトップレベルの交流を除き、各級の軍事交流を中止するよう指示が来ている」と驚くべき話をする。在日米軍の相次ぐドタキヤンは、安倍首相の靖国参拝が米国の虎の尾を踏んだとの警告ではないのか。これ以上、韓国との関係悪化を招くことは許さないというメッセージではないだろうか。
−引用終了−

 安倍首相の外交姿勢が極めて問題であることも明らかになった事例だが、自然災害は時期を選ぶわけではないだけに、アメリカの都合で救援活動に参加するか否か不明のような米軍に頼ることほど国民を危険にさらすことになるのではないかということも示すものであると思えます。
 米軍参加の防災訓練が増加しているのは、国民の反発が少ないであろう大義名分で日米共同の軍事訓練を重ね、一体化をめざす集団的自衛権行使の動きと関連していると見ておく必要があるのではないかと思っています。

6月4日「『南海レスキュー』に抗議」

 6月1日から11日にかけて米陸軍約40名、航空機3機の参加を含む「南海レスキュー」が開催されています。
 私は、議会総務委員会出張のため参加できませんでしたが、昨日急遽「南海レスキュー」に名を借りた日米軍事訓練抗議集会が開催されました。
 集会では、第一に、県がかねてから表明している「軍事訓練であれば実施は断る」との姿勢からすれば、「軍事訓練であるか否か」を検討する時間も確保されない防衛省の姿勢に抗議もせず唯々諾々と協力し、積極的に県民に情報を提供してこなかったこと。
 第二に、これまでの日米共同統合防災訓練への米軍の参加見送りは、米軍の都合次第で災害救援への支援がなされないケースがあり得ることの証明であり、救難・救助体制として、行政側の「米軍支援頼み」ではダメであることが明らかになりつつあること。
 そして、第三に自衛隊の規模・能力は、専守防衛の域を大きく逸脱しており、周辺諸国から多大な疑念を抱かれる状況になっており、アメリカに付き従い、戦争ができる体制を整えていることの方が、国民の危険性を増大させるものであり、少なくとも、現在の自衛隊の要員や装備を削減し、災害救助の専門機関に転換させること。
 以上のことから、集会参加者は、今回の「南海レスキュー」に名を借りた実質的な日米合同軍事訓練に、断固として抗議し、このような訓練の中止を求めてたたかうことを宣言する「抗議アピール」を採択しています。
 さらに、今朝の高知新聞にもあるように防災訓練に参加する米軍ヘリが高知駐屯地を使用することに関し、この施設使用を住民に知らせる手続きを「短時間の訓練だから」という理由で、防衛省が行っていないという運用は極めて問題であることが指摘されています。
その存在によって日本はアメリカの占領下にあるのではないかとさえ言われる日米地位協定でありますが、遵守しないことさえも許してしまう防衛省は、国民を守るより米軍の権益を守る姿勢に終始していると言わざるをえないのではないでしょうか。
 そんな訓練が、まかり通ることに断固抗議します。

6月3日「土電・県交通統合新会社発足に県民が合意できる審議を」

 昨日開催された第7回「中央地域公共交通再構築検討会」を傍聴したが、実質的には、最後のとりまとめとなる検討会だが、筋書き通りの1時間足らずの会議でした。
 土電と県交通の両社は、株主や自治体への協力要請、労組・従業員対応などの経過とともに取引金融機関に要請していた計6金融機関に求めていた約26億〜28億円の債権放棄で同意を得られたことが報告されました。続いて、四国銀行、県、高知市からこれまでの検討状況を報告されましたが、今回の再生スキームが「金融機関の債権放棄」と「自治体の出資」が前提となっているだけに、いずれにも「苦渋の判断」が迫られ、統合に向けた「新会社設立」の目処を付けるしかなかったと言わざるをえません。
 検討会では、下記囲みのことを踏まえた、日程が確認されましたが、ここでは統合新会社のスキーム議論が中心で、新会社が県民に提供する交通サービスの内容が並行して提示される必要があるのではないでしょうか。
 私は、この間傍聴しながら、10月ゴールを目指して走っているのは、事業者、金融機関、自治体で新会社の最大株主となる県民が大きく遅れていることを懸念してきたが、最後までそのことは払拭されないまま進んでいるように思えてなりません。
 検討会では、新会社設立という一定の道筋がつけられたことで、ミッションは達成されたと言うことで、今後はスキームの見通しを見ながら改めて検討すると言うことだが、10月新会社が設立されたときに、県民にとっての公共交通の新たな利便性と持続可能性がどれだけ具体化されたかということこそが問われているのではないかと思います。
 それだけに、その課題の議論も可視化されることが求められるべきではないでしょうか。
 県議会では、27日の両社の株主総会を踏まえて、5億円の出資関連議案が追加提案されることとなるが、統合新会社発足を県民が合意できるような審議が必要かと思っているところです。

新会社設立委員会の設置について
● 想定メンバー
・新会社取締役候補者 数名
・主要株主予定者である高知県、高知市から各1名
・その他
●設立:7月中旬を予定
●役割:新会社の社名、役員構成、その他重要事項を協議、決定
注1)土電及び県交通の株主総会において共同新設分割の決議をする際、新会社の社名及び設立時の役員構成を仮に定める必要があるが、新会社設立時に、新会社設立委員会において決定された社名及び役員構成に変更する
注2)新会社の社名は、公募を経て、新会社設立委員会が決定することを予定

新会社設立に向けた関係者の取り組みについて
○事業者の窮状から、可能な限り早期の統合実現が必要であり、許認可承継等の事務作業を最短スケジュールで進めることを前提に、新会社設立を10月相としている。(バス運行補助金の交付が、10月からの1年間を基準としていることとの整合を取る観点から新会社の会計年度も10月から翌年9月とすることが適当と判断)
事業者
●共同新設分割等の再構築スキーム実現に必要な各議案について、株主の理解を得るための努力
●バス、路面電車等の許認石卜承継等に関する行政官庁の許認可等の取得
●新会社に業務が円滑に移行できるよう、社内外の関係者に対する充分な対策を実施
取引金融機関
●ご同意頂いた金融支援内容を実行するための準備
●新会社が安定した経営基盤を確立するための必要な支援
自治体
●7月中旬までに、全ての自治体が出資に関する議会の議決     .
新会社設立に向けた準備行為や金融支援を進める上で、自治体からの合計10億円の出資の確実性の確保、株主構成の明確化が必要
・具体的には、7月中旬までに、出資について、全ての自治体の議会の議決が得られる必要がある

6月2日「南海レスキューと県総合防災訓練」

 昨日は、県総合防災訓練が南国市物部の物部川右岸で行われましたので、県議会からも10人の県議とともに参加してきました。
 南国市をはじめ7市町村の職員や消防団員、自主防災組織の住民ら計91団体約1500人が参加し、南海トラフ巨大地震や大雨による風水害を想定し、倒壊家屋や横転車両からの救出訓練や負傷者の救護訓練などの訓練に取り組まれていました。
 訓練には県と市町村のほか、自衛隊や警察、企業や医療機関の関係者も参加しており、航空機を使った情報収集や重機による道路啓開、無線を使った非常通信訓練なども行われていました。
 また、訓練会場の隣接地では、県内企業の防災関連製品などを紹介する地域防災フェスティバルもあり、各種防災グッズブースに参加県民が立ち寄り、商品の説明を受けていました。
 それにしても、1日からは自衛隊による「南海レスキュー」も始まっており、4日には米陸軍の輸送ヘリUH60ブラックホークを使った物資輸送訓練も予定され、昨日の県総合防災訓練を米海兵隊高官が視察し、「本県防災訓練については、要請があれば参加を検討するとした上で、オスプレイ参加は不可欠」であることを強調していたとのことです。 「南海レスキュー」に関する情報提供についても、県の姿勢は今までと違って、極めて消極的で、情報管理の面でも「防災訓練」に名を借りた「軍事訓練」の様相を呈することが今後も強まるのではないかと危惧しています。

6月1日「震災時も平常時も伝統食で命はぐくむ」

 昨日は、会員でもあるNPOこうち男女共同参画ポレールの総会があり、出席していました、。
 記念講演では、これまでにも何度か高知でご講演をされていて会員でもある環境・防災系コンサルタントの好子さんから「震災時も平常時も伝統食で命はぐくむ」と題して、お話し頂きました。副題にもあるように、「過去の被災地・被災者の教訓に学ぶ、10日分の非常食は土佐の食で」というこを極めて具体的に話されました。
 東日本大震災では、米など主食の配給が多かった一方で、タンパク質不足、食物繊維やビタミン・ミネラル不足により、避難所の多くで健康被害が起きるなどの健康面での二次災害を防止し、助かった命を被災生活の中でつないでいくためにも「食」の問題は、極めて重要であることを説かれていましたが、まさにその通りだと思われます。
 特に、土佐で入手できる素材は、被災生活の中で明らかになった食のニーズに応えられるものが多いことを指摘されていました。
 「口腔衛生のために、硬いものが欲しい⇒ 鰹節、昆布、竹の子、山菜など」「甘くないものが欲しい⇒果実酢、生蓑等」「繊維の有る物が欲しい⇒イモ類、野菜等」「ビタミン・ミネラルが必要⇒果実、野菜」「タンパク賞が欲しい⇒魚、大豆など豆類」「長期間飽きない食が欲しい⇒醤油、味噌」などがあり、行き着くところは伝統食お惣菜であるとして、保存性に優れた土佐の伝統食を紹介されていました。伝承されているお惣菜(土佐伝統食研究会提供)として、「キュウリ・ゴーヤの佃煮」「きゅうり・様々な野菜のピクルス」「切り干し大根の梅ジュース煮」「鰹節のデンブ」「牛肉のしぐれ煮」「にんじんサラダ」「人参と刻み昆布の妙り煮」「干し芋」「キンカン甘露煮」「切り干し大根の酢漬け」「めいちのからし煮」「生妻の老梅煮」「昆布の佃煮」「ゆかりのふりかけ」「一口大のおにぎり」などあげれば切りがないようです。
 土佐の食材と技を見直して、地元の伝統食の再確認をし、災害時の食の文化を考え、非常食から日常食の備えと供給が求められてくると言う講師のお話は、土佐の防災文化を考えることにつながるのではと感じさせられました。
 そんなお話を聴いている間に、会場には土佐伝統食研究会の皆さんによる伝統食お総菜が構えられていました。ものすごく食欲をそそる香りが会場に漂っていましたが、私は次の会議に出席のため試食できずに残念でなりませんでした。

5月30日「公共交通再構築への支援に応えるために」

 昨日、総務委員会で出張のため傍聴できませんでしたが、産業振興土木委員会に対して「中央地域公共交通の再構築」に関する県の考え方が示されました。(詳細は下記の通り)
 今朝の朝刊各紙が報道していますが、中央地域公共交通再構築検討会からの支援要請に対して、出資割合の考え方も示した上で、県が5億円を出資する方針が示されました。
 また、バス路線維持のための補助制度の見直しとして、路線ごとの収支(採算性)を把撞し、収支改善に向けて徹底した経費削減と増収対策を実行し、不採算路線の維持のための事業者負担の軽減につながる補助制度の見直しについては、その実行状況も踏まえて判断することとしています。
 それにしても、この土電・県交通統合問題が、驚くほどのスピードで議論された背景に、県交通がこの7月にも資金ショートを起こすことが予想されていたことにあるのではないかと思わざるをえない報道もあります。
 今後、6月2日の第7回中央地域公共交通再構築検討会を経て、27日の各社の株主総会の結果を踏まえて、県議会6月定例会に追加議案の提出が行われ、関係市町村議会は定例会、または臨時会で対応することになろうかと思われます。
 いずれにしても、地域社会への影響を最小限に抑え、公共交通事業等を継続していくこと、そして、交通政策基本法にある「交通に関する施策の推進は、国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展を図るために欠くことのできないものであることに鑑み、将来にわたって、その機能が十分に発揮されることにより、国民等の交通に対する基本的な需要が適切に充足されることが重要であるという基本的認識の下に行われなければならない。」ということを基底においた真摯な議論がなされる必要があります。

中央地域公共交通再構築検討会からの支援要請に対する検討状況等

1 10億円の出資
(1)検討会からの支援要請
@実態債務超過の解消(バランスシートの改善)、A必要な設備投資資金の確保(5年間で約12億円の投資を計画)のためには、10億円の出資が必要であり、将来にわたる持続可能な公共交通の実現という観点から、行政による出資が必要
(2)県の考え方
●多くの県民に利用されるなど、現状でも中央地域の公共交通が県民生活に果たす公益的な役割は大きく、さらには、今後の人口減少や高齢化の進展を踏まえると、交通弱者の交通手段や都市部のコンパクトシティ化の基盤として、将来的にもその公益的な役割はより一層大きくなるものと考えられる。
●現在、中央地域の公共交通を担っている2社が経営危機に瀕している中で、公共交通がストップし、県民生活へ多大な影響を及ぼすような事態を避けるとともに、公共交通を将来にわたっても持続可能なものにしていくためには、公共交通の維持・確保に一定の責務を有する行政の積極的な関与が必要な状況にあると考えている。
●このような基本的な認識の下、検討を重ねた結果、新会社が安定的な財務基盤や設備投資資金を確保し、公益性の高いバス路線等を確実に守っていくためには、当面は、行政(県・市町村)が100%出資して経営に主体的に関与することが望ましいとの判断に至った。
●路線バスの維持において、広域的・幹線的路線については、広域的な行政主体としての県が、地域生活路線(仮称)については、基礎自治体である市町村が、それぞれ将来にわたって維持する役割を担っており、県と市町村の役割が同等であることを踏まえ、県の出資割合は50%に相当する5億円とする。

2 バス路線維持のための補助制度の見直し
(1)検討会からの支援要請
@公益性が高く、その維持が必要となるものの経営的には不採算である路線については、事業者が最大限の経営努力を行ったとしても維持することが困難な場合があるため、引き続き行政による補助が必要
Aさらにそうした路線は、今後の人口減少により拡大していく可能性があり、その結果、今後もそれらの路線を維持していくためには、バス路線維持のための補助制度について見直しが必要
(2)県の考え方
●新会社においては、まずは、路線ごとの収支(採算性)をしっかりと把撞し、収支改善に向けて徹底した経費削減と増収対策を実行していただきたいと考えている。
●その上で、不採算路線の維持のための事業者負担の軽減につながる補助制度の見直しについては、その実行状況も踏まえながら、判断していきたいと考えている。また、国庫補助対象路線については、国の制度設計上、市町村負担の増加が見込まれることを踏まえ、県としても、平成27年度当初予算に向けて、具体的にどのように対応するか、県と市町村の役割分担も含めて協議していきたいと考えている。

5月29日「今こそ『労働組合』に団結」

 昨日、「残業代ゼロ」に抗して、働き続ける労働環境を守る労働運動の必要性を報告したが、そんな日の夕刻、仕事終わりの皆さんが集まって、新たな労働組合の結成大会が行われました。
 来年4月に高知県公立大学法人と公立大学法人高知工科大学の法人統合が予定されている中、高知県公立大学法人に働くプロパー事務職員の皆さん9人が、「高知県公立大学法人事務職員労働組合」を結成したのです。
 現在、両法人の統合作業部会において、今後の法人及び大学の管理運営について検討がなされている中、法人統合後の人事・給与制度のあり方や労使関係の具体的な内容について、何ら事務職員に協議されることなく、職員の皆さんは大きな不安を抱えています。
 これまでにも、議会に示されている「公立大学法人の統合」に関する資料では、「教員の人事・給与制度は、当分の間、各法人の取り扱いを引き継ぐ」としていますが、「事務の人事・給与制度は、一法人化の際に一元化する」としており、その変更にあたっては、何らかの協議がされて当然です。9月議会には、定款の変更を含む公立大学法人の合併に関する議案が提案される予定だけに、協議の場は急がれるべきです。
 「安心して働き続けることができるための諸要求の実現を図る」ことは、当然の方針ですが、今でも、9名のプロパー職員以外に、3名の準職員と26名の契約職員が在職しており、統合後には法人が雇用する事務職員は100名を超すのではないかと予定されており、「組織拡大」も大きな運動方針となってきます。
 初代委員長が、就任挨拶で、「これまでの3年間大変な思いをしてきました。そんな思いをこれからは職員の皆さんにさせたくありません。」と述べられていましたが、昨日の大会は、労働者の強い決意を見せて頂いた大会でした。
 今日は、早速、労働組合結成通知と団体交渉の申し入れを行うとのことです。私たちも、しっかりとサポートし、連帯・共闘していきたいと思います。

5月28日「『残業代ゼロ』は長時間労働奨励」

 今朝の朝日新聞一面では、労働時間の長さにかかわらず賃金が一定になる働き方、いわゆる「残業代ゼロ」の働き方を「成長戦略」で明示することを、厚生労働省が容認することを決めたことを報じています。
 厚労省案は、為替ディーラーやファンドマネジャーなど「世界レベルの高度専門職」を対象に労働時間の規制を外すとのことだが、これまでの労働者派遣の規制緩和の流れを見れば分かるように「小さく産んで大きく育てる」やり方で際限なき拡大を労働者の誰もが懸念しています。
 23日には「過労死等防止対策推進法案」が可決されたばかりで、「過労死や過労自殺をなくす」という目標をはっきりさせ、防止策について「国の責任」と明記しています。そして、過労死の主因である長時間労働を抑える具体策がこれから求められようとしている中で、長時間労働抑制の規制を取っ払おうとしているのです。
現在は、8時間を超える労働時間に対して、企業は賃金に上乗せしてお金を払う義務があり、企業に負担させることで長時間労働を防ぐ仕組みとなっているが、その規制を外して、「残業代ゼロ」となれば、長時間労働が蔓延し始めることは自明であり、国が長時間労働を奨励するようなものです。
 2012年度の統計では、脳や心臓の病気で労災に認定されたのは338人で、2年連続で増加し、心の病による認定も3年連続で過去最高を更新しています。しかも、この数字は、客観的な証拠があり、行政の基準を満たした場合だけで、問題の氷山の一角に過ぎません。
 そして、11年度の統計では、長時間労働(週50時間以上)の人が雇用者全体に占める割合が、日本では3割を超えており、アメリカ(11%)、イギリス(12%)、フランス(9%)など、欧米諸国を大きく上回っているのです。
 このような実態から目をそらし、経営者らの意向だけを組み込む成長戦略には、将来はありません。
 昨日は、「連合」が、この動きに対して、全国で反対集会を組織したが、これからは具体化のための労働基準法改正との攻防で、労働者側の決意が問われることになろうと思います。
 ともに、闘っていきます。


5月27日「『公開』姿勢の実態は」

 明後日29日に、県の「伊方原子力発電所の安全対策等に関する四国電力株式会社との勉強会」が、県民文化ホール第11多目的室で開催される予定ですが、一般傍聴が3名しか確保されないと言われています。
 部屋の定員は30名余ということがあるのかもしれませんが、「公開」という割には、わずか「3名」という制限は如何なものでしょうか。
 2月定例会の私の質問に答えて、知事は「勉強会の中では、それぞれの項目について細分化して突っ込んだ質問を行い、その回答を得て、納得行くまで問い続けると、そういう形で進めており、マスコミを含め、公開の場で議論しておりますので、議論の過程については必要に応じ、知っていただくことが可能となっております。」と答弁していたが、その実態がこれなのかと驚くばかりです。
 本来、県は多くの県民に傍聴して頂き、県民の理解と納得のもとに進めていくことが、大事なわけで、担当課に「3名」という制限の緩和を求めたところです。
 今後、どのような形になるかは分かりませんが、「公開」の名にふさわしい、情報提供と会議の透明性を常に求められるべきものではないかと思います。
 なお、残念ながら、私は県議会総務委員会業務概要調査のため傍聴できませんが、「勉強会」は、13時30分〜県民文化ホール1階第11多目的室で「伊方原子力発電所の安全対策について」行われます。

5月26日「『平和憲法号』に変わって『平和憲法キャラバン隊』で県内横断」

 先日、平和憲法ネットワーク高知では、改めて、5月3日の総会における「『平和憲法号』の運行継続を求める特別決議」を添えて、土電本社に対して運行継続を求めるとともに、どうしても憲法に関わる車体広告継続が困難と判断される場合は、そのことに対する土電としての判断理由及び今後どのような状況になれば、ないしはどのような対応の変更があれば、掲載を可能と判断するのか文書における回答を求めた「「平和憲法号」の運行継続を求める要請書」を手交してきました。(私は、議会用務のため同席できていません)
 しかし、土電側は、要請書は受け取ったものの、文書での回答を拒否するという暴挙に出たそうです。目の前に、県交通との統合問題で大変な状況にあるとは言え、極めて情けない対応としか言いようがありません。
 そこで、今年は、「平和憲法号」の運行休止に変わる取り組みとして、平和憲法ネットワーク高知としては、護憲連合、平和運動ネットワーク高知、連合高知とともに「平和憲法キャラバン隊」を県内に派遣することとしました。
 出発式は、6月9日(月)午前9時〜県民文化ホール前、到着報告集会は10日(火)午後6時から高知市役所前で行います。キャラバン中は、コース上の市役所前などで街頭宣伝などを行いますので、お近くに行った際には、どうぞ激励のお声かけを下さい。
 今朝の朝日新聞世論調査では、憲法改正の手続きを踏まず、内閣の判断で憲法解釈を変える首相の進め方については「適切だ」は18%で、「適切ではない」の67%が圧倒していますし、75%の方がアメリカなどの戦争に巻き込まれる可能性が高まると不安視しています。(グラフは朝日新聞より)
 キャラバン行動を通じて、集団的自衛権行使容認を許さない、特定秘密保護法廃止、憲法9条改悪阻止の声を県内に広げてきたいと思います。

5月24日「女性の視点は防災対策に必要な多様な視点」

 今朝の高知新聞にも記事が載っていましたが、22日夜、安芸市男女共同参画市民講座「東日本大震災の被災地の今とこれからの教訓〜女性の視点を取り入れた防災対策〜」で河北新報社丹野綾子記者の現地からの話を聞かせて頂きました。
 テレビドラマ「明日をあきらめない…がれきの中の新聞社?河北新報のいちばん長い日?」で描かれた河北新報社の記者として、取材に向かったときから、そして、被災直後の避難所や女川町の取材を通じて、見てきたこと、今起きている課題を女性の視点からお話しされた内容に会場一杯の参加者は熱心に聞き入っていました。
 ドラマの中で、「取材なんかしている場合じゃない、自分は何をしてるんだろう」という丹野さん役の小池栄子さんの台詞があるが、その言葉の裏にある「取材している間に助けられる命があったのではないか」との思いも語られていました。
 女性の視点は、災害時に困難を抱える人全てに共通する多様な視点であることからも、避難所運営や防災対策においても、多様な視点を反映させることができる。遠慮していたら泣きを見るのは自分だということからも女性の積極的参加も強調されていました。
 最後に、「女性は、多様な視点を持ち地域を牽引するパワーを持つ。だからこそ防災対策に積極的にかかわって欲しい。災害は他人事ではない、我がこととしてとらえ、自分も家族も地域も自分たちで守る備えを」と結び、「命は取り返しがつかない。これから南海トラフ地震と向き合う高知の人に、3.11で失った被災者のような思いをして欲しくない」とのメッセージは、参加者の皆さんにきっと届いたことと思います。
 1月にマンション防災会で河北新報社編集局報道部土屋聡史記者をお招きして、「東日本大震災被災地に津波・長期浸水を学ぶ」と題した講演会を主催したこともありますが、河北新報社の記者さんには今後も学ばせて頂くことが多くなるかもしれません。

5月23日「優先すべきは『生存にかかわる人格権』」

 福井地裁における大飯原発の運転差し止めを求めた訴訟で、21日樋口裁判長は「大飯原発の安全技術と設備は脆弱なものと認めざるを得ない」と地震対策の不備を認定し、運転差し止めを命じるという画期的な判決を出しました。
裁判長は「生存を基礎とする人格権は憲法上の権利であり、法分野において最高の価値を持つ」と述べ、優先すべきは「生存にかかわる人格権」で、発電の一手段でしかない原発はそれよりも優先度を低く置くべきだとしています。
 判決は、国民の命と暮らしを守る、という観点を貫いており、関電側が電力供給の安定やコスト低減を理由に、再稼働の必要性を訴えたことに対して、「人の生存そのものにかかわる権利と、電気代の高い低いを同列に論じること自体、法的に許されない」と断じ、安全性を確保できなければ、原発を運転すべきではないと判断しています。
 このコスト問題に関連して「国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止で多額の貿易赤字が出るとしても、国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻せなくなることが国富の喪失だと当裁判所は考える」としています。
 裁判長は、福島原発事故で15万人が避難を余儀なくされ、入院患者ら60人の関連死があったことに言及し、「原発技術の危険性の本質と被害の大きさが明らかになった」とした。
 まさに、フクシマの人災の反省にたち、未だに全国で避難生活を送り塗炭の苦しみを抱き続ける人々に寄り添う画期的な判決を原子力ムラの住民には受け入れて頂くしかありません。
 そして、伊方原発運転差止訴訟原告団が発表したコメントにあるように、「地震の影響を深く分析し、停止しても被害の拡大する要因を除去できない原子力発電の本質的な危険を指摘した。伊方原発運転差止訴訟において私たちが指摘している論点を、この判決は明確に判断している」だけに、松山地裁も同様の判決を下して頂くよう、さらに、闘いを継続したいものである。
 それにしても、昨日、尾崎県知事が定例記者会見で、この判決結果に関するやりとりで、原発ゼロが理想とした上で「やむを得ない問題として、再稼働も全く否定することはできない」との考え方を示したことは残念です。

5月22日「観光ガイドボランティア協会、25年間のおもてなし」

 昨夜は、顧問を務めさせて頂いているNPO法人土佐観光ガイドボランティア協会の創立25周年記念祝賀会で、日頃の高知県観光へのご尽力に感謝のご挨拶をさせて頂きました。
 私が、関わったのはこの11年ほどですが、その間にはもNPO法人への移行などもありながら、龍馬伝ブームをピークに400万人観光の最前線でおもてなしをして頂いている県内観光ガイドの皆さんの先導的役割を果たして頂いています。
 本当に半世紀の歴史を感じさせてくれるとともに、この方々がいてくれたからこその高知県観光でもあったのではないかと思っています。
 昨夜も、高知城を中心に観光地をどのように整備すれば観光客の満足度を高めることができるのかなどを熱く熱く語ってくれました。これまでに、高知城の観光案内所やコインロッカーの設置にも、ともに汗をかかせて頂きましたが、新たな課題もたくさん頂きました。
 皆さんの今後とものご活躍と協会のますますのご発展をお祈りするばかりです。
 写真は左から今西会長挨拶、一期生のご挨拶、もっとも新しい10期生の皆さん。そして、記念誌・記念品です。

5月21日「浦戸湾可動式防波堤見送り」

 報道によれば、昨日、開会された浦戸湾周辺の津波、浸水対策についての検討会で、これまで報じられていた可動式防波堤の見送りが確認されたとのことです。
 会では、これまで浦戸湾の外に第1の防護ラインとして新港沖の防波堤、浦戸湾の入り口に第2のラインとして湾外縁部・湾口部の防潮堤や可動式防波堤、浦戸湾内部の護岸を第3のラインとする三重防護を掲げ、頻発する地震津波に対しては浸水を防ぐ視点、最大クラスの地震津波に対しては災害を少なくする視点から検討していました。
 昨日の会合では、このうち第2ラインとして一昨年整備計画を発表していた浦戸湾を締め切る可動式防波堤は最大クラスの津波が発生した場合、浸水軽減効果が、湾内外の堤や護岸を強化する対策よりも低いことが報告され、浸水面積を小さくできないことや津波到達時刻を遅らせる効果が見られないなどの結果から、可動式堤防の整備を見送ることとしたものです。
 検討会では、今後、「三重防護」で津波の浸水被害を低減させる減災対策を進めるほか、河川や湾内環境への影響を考慮しながら、固定式構造物の整備が検討され、2015年度内中に、最終的な浦戸湾周辺の「三重防護」の整備計画をまとめることにしています。
 可動式防波堤が検討の俎上にあがったとき、私は2011年秋の『県政かわら版』35号で、「防災・減災効果の検証と地震発生時の揺れや津波に対する強度・稼働の保障、周辺住民の安全度の確保など課題は散見されており、事前の充分な検討が必要です。」と書いていたことを思い出したところです。
 しかし、連日出先機関の業務概要調査に出かけている間に、本来なら傍聴しておきたい会議が順次開催されており、残念でなりません。どうしても、後から資料を目にするだけでは、どこで議論が深まったかなどが分からず、腹にストンと入りにくいことがあります。
 いずれにしても身は一つ。この一年そんな毎日が今まで以上に続くことになると思います。


 

5月20日「安倍一人の判断で、この国を参戦させてはならない」

 歴代の内閣が憲法9条のもとで否定してきた集団的自衛権の行使を、政府解釈の変更によって認めるという立憲主義を否定し、戦争のできる国へと突き進もうとする安倍首相の暴挙に対して、共同通信の世論調査では、行使容認に反対が48・1%と賛成の39・0%を上回り、憲法改正によらず解釈変更で認めることにも反対が51・3%と半数を超えるという民意が示されています。
 安倍首相は、本来なら少なくても憲法96条に定める改憲手続きによって国民に問うべき平和主義の大転換を、与党間協議と閣議決定によってすませてしまおうとしているのです。
 このままでは、戦争の反省から出発した日本の平和主義が根本的に変質し、日本が攻撃されたわけではないのに、自衛隊の武力行使に道を開き、戦争をするということです。
 2月定例会本会議での私の質問に対して、「集団的自衛権の行使を一定認めるべき」として懇談会四類型をなぞる知事でさえ、「いずれにせよ、憲法のありようや我が国の将来を大きく左右するため、とにかく慎重に、しっかりと国民的議論に付していくことが非常に大事だと考えている。」と答弁しています。
 それが、「与党間協議と閣議決定」だけで決めるなどということになれば、5月16日付朝日新聞社説によれば「解釈変更は、内閣が憲法を支配するといういびつな統治構造を許すことにもなる。国民主権や基本的人権の尊重といった憲法の基本原理ですら、時の政権の意向で左右されかねない。法治国家の看板を下ろさなければいけなくなる。」ということです。
 こんなことを許してしまったら、この国は近隣諸国に危機感を与え緊張を高めることになるとともに、世界から信頼されない国になってしまいます。
 そのことに、民意は抗う姿勢を見せ始めているし、それを具体的な闘いへと組織していかなければなりません。

5月19日「かつお祭りでも頭の中は防災」


 
昨日は、午前中に、まず春の高知を代表するイベントの一つ「かつお祭」にお招き頂いていましたので、行ってきました。カツオのタタキをはじめカツオ丼にチチコやハランボの塩焼きなど、約2.2トンのカツオが1.8万人の胃袋に消えていきました。
今年は、かつおの不漁の影響が危惧されましたが、祭りが近づく数日前から例年並みになり、無事に本番を迎えることができました。
 それにしても、昨年と違い好天に恵まれたので、その分余計に賑わっていたように思います。
 また、昨年までは、桟敷席になっていたところに津波避難ビルが建設されていましたので、町長の計らいで行政関係者の方達と一緒に視察をさせて頂きました。
 以前、建設中にこのコーナーで紹介もさせて頂きましたが、完成してみるとなかなかのもので、国の重要文化的景観であることや町の景観保護条例を踏まえた街並みを意識したもので、町内のヒノキもふんだんに使ったもので、避難場所は、二層式で四百人が、避難可能となっています。津波予測高さは13メートルで、二階の避難場所はTP16.7メートル、三階は20メートルとなっています。さらに、杭は地盤まで届けるために、31メートルも打ち込んでいます。
 今後は、さらにタワーへの避難路をもう一本付けることで、遠くから避難可能にすることも予定されているようです。日常使いも工夫するなど、町長に言わせれば「総合的に日本一の津波避難タワー」と自負しています。6月22日は完工式を行うそうで、以降は一般公開されますので、ぜひ一度訪れてみて頂けたらと思います。
 かつお祭りは、2時間足らずの滞在でしたが、お酒以外は堪能させて頂きました。
 高知に帰ってきてからは、近隣の丸池町町内会で、自主防災会の活動再開にあたって丸池町周辺の課題と防災会活動についてお話しした後、南宝永町町内会へとかけつけて、ここでは下知地区減災連絡会の活動について報告し、加入のお願いをしてきました。皆さんの危機感が伝わってくるような会議でした。

5月18日「南中・高校統合問題で教育委員は関係者と真摯に向き合うこと」

 昨日、第2回教育委員協議会が開催され、高校再編振興計画案で統廃合の対象となっている県立南中・高校の保護者等関係者団体との意見交換がされたので出席してきました。
 県教委事務局からの資料説明で、「なぜ高知市内の県立学校の統合が必要なのか〜一律に学級数を減らすことで対応できないのか〜」「なぜ南中・高校なのか」「震災に強い教育環境の整備」などについて、これまでの疑問課題について答える資料だが、いくら教育委員長が「結論ありきではない」と言っても、それらは参加者によけいに「結論ありき」という姿勢を与えたのではないかと感じました。
 生徒数減に対して、「一律削減は困難」だから「学校の統合が必要で、少しでも早い対応が必要」と述べ、「教育環境の充実と震災に強い教育環境の整備」の視点から考えれば南高校と西高校を統合することとしたという結論付けの説明に過ぎないと多くの参加者には映ったようです。
 県教委のこれまでの手順に対する不信感と11頁にまとめた教育委員協議会に対する質問を投げかけた「保護者代表」、「統合して南の何が残るのか。統合後の姿が見えないままでは分からない」との疑問をぶつけた「校友会」、「中高一貫校の総括は。卒業生の成果が出始めた矢先の統合は拙速すぎる。今の小規模校を否定するような統合ではなく、学校の努力でできることがあるのではないか。県外、国外で活躍する人材ではなく、高知県のために働く人材を育ててもらいたい。」と、中高一貫校設立の際に苦労して支援してきた「進取会」、そして、「どうしたら残せるのか。南の生徒達を犠牲にするようなことはしないで欲しい。時間がかかっても、生徒や保護者が納得いくまで向き合って欲しい。」と訴えた国際教育振興会などから突きつけられた意見を教育委員の皆さんがどれだけ真摯に受け止めたのか、今後の回答などを注視していきたいと思います。
 今後は、西高校や須崎高校、須崎工業高校など統合対象の関係者との意見聴取も順次行われることとなります。
 最近、パソコンの調子が悪く、更新がうまくいかず、間隔があいてしまいました。あしからず。

5月15日「許さない『国民・国会置き去りで戦争のできる国』へ」

 いよいよ安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が報告書を首相に提出することとなります。
 国民、国会を置き去りにし、当事者の委員でさえ「熟議はされていない」という報告書では、政府に集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更については、実際の行使にあたっては六つの条件を設けることとし、米艦船の防護やミサイルの迎撃といった集団的自衛権行使などが必要だとする10以上の具体的な事例も挙げると言います。
 他人の喧嘩を買って出ることを世界に宣言するような国になることを国民の意思を無視して、解釈改憲で行うことを圧倒的多数の国民は認めていません。
 何としても、許さない国民のうねりを起こしていきたいものです。
 今から、幡多地区への出張のため事務所を出ますので、多くを触れることはできませんが、報告書が出された段階で改めて、意見を述べさせて頂きます。

5月14日「実感する地域活動拠点の大切さ」

 昨年、「コミュニティ活動の拠点、生涯学習活動の拠点、地域防災の拠点として、それぞれの機能の向上を図る。また、下知市民図書館の利用の推進や地域文化の向上に努め、安全・安心で連帯感あふれる豊かな地域社会の形成をめざす」ことを目的にスタートした下知コミュニティ・センターの定期総会が、昨夕開催されました。
 地域の各層から選出された運営委員の30名のうち28名(内4名委任状)が総会に出席され、副会長をさせて頂いている私も議長の任にあたらせて頂きました。
 全ての議案は全会一致で可決されましたが、この一年間の活動実績は本当に盛りだくさんでした。私の所属する地域活動部会や防災部会、さらに歴史のある図書館部会と、当初の想定以上の活動で、全体で会議室等の利用人数は19,475人、図書館は32,346人となっています。図書館は利用者数は前年度比138.2%、貸出冊数137,344冊で前年度比152.6%と市内全館計が減少している中で、大幅な伸びを示しています。
 いろんな意味で地域の活動拠点があるということで、地域が活性化しているような気がします。
 そんなコミュニティセンターの運営が軌道にのろうとしている中で、さらに地域内の連携活動を強化しようということで、研究を進めてきた「下知地域内連携協議会」の準備会が今夜立ち上がろうとしています。市内でもいくつかの先進地域がありますが、中心市街地での組織化はまだまだですので、「下知らしい」地域のつながりをつくることで、支え合いや助け合いがあたりまえの地域になれたらと思っています。
 このようなコミュニティの形成の鍵は「人」ですが、地域のレジェンドから若手までが一緒に活動できる組織になれば、大きな力が発揮されるのではないでしょうか。

5月13日「改めて『原発震災』への警告」

 1997年以来、「原発震災」に警鐘を鳴らしていた神戸大学名誉教授・石橋克彦氏は、3.11以後は、「大地震によってこのような事態が生ずることを憂慮し、1997年から警鐘を鳴らしてきたが、こんなに早く懸念が現実化してしまうとは思わなかった。」と改めて、「原発震災」について、震災軽減の重要な一環としてその回避を訴えてこられていました。
 その石橋氏が、「世界」6月号で、「欠陥『規制基準』が第二の原発震災を招く」との見解を発表されています。
 その中では、安倍をはじめ、原発再稼働推進派が言う新規制基準の「世界で最も厳しい水準」というのは大嘘として、「新基準は結局、重大事故が起きてもよい、ベントによる放射能放出を含む崖っぷちの対応で破局を食い止めるという“破れかぶれ”のような考え方なのだ。最終的に住民の生命・健康を守るためには(IAEAの「原子力施設の安全確保のための『深層防護』の5層構造」の階層である)第五層(放射性物質の大規模放出にともなう放射線影響の緩和)が絶対的に重要だが、規制委はこの部分について始めから責任を放棄している」と断じています。
 そして、「浜岡原発は『予防原則』の考えに立って、使用済み核燃料の厳重な安全管理をした上で、廃炉にするよりほかないであろう。伊方原発も南海トラフ巨大地震が最大だった場合、ほとんど震源域の上にあるといってよく、ここで原発を運転するのは無謀なことである。伊方原発三号機がもし南海トラフ巨大地震で重大事故を起こせば、四国・九州・中国地方のほとんど全域に放射能をまき散らす恐れがあり、震災を桁違いに悲惨なものにする。また、瀬戸内海も致命的に汚染するから、絶対に再稼働するべきではない。」と指摘し、最後には“人間の分際を超えて”稼働原発ゼロが続く今こそ、日本は「人類の核からの脱却」の先頭に立つべきとだと結ばれています。
 そんな、石橋氏が、必ず来る「西日本大震災」にどう備えるか。大災害を繰り返してきた南海トラフ巨大地震の歴史記録を徹底検証し、その発生機構に独自の視点で迫り、「地震に強い社会」を根底から問うた近著「南海トラフ巨大地震――歴史・科学・社会」を手にしてみたいと思います。

5月10日「笑顔が集う『タウンモビリティ』の拠点作りの支援へ」


 大型の店舗や商店街、街の中心部において、歩行が不自由な高齢者や障がい者に電動三輪車、電動スクーター、電動車いすなどを無料で貸し出し、買い物だけでなく、街を散策する手段と環境を支援する取り組み「タウンモビリティ」が、高知市中心商店街で、実施され始めてからおよそ3年が経ち、昨年1月からは土佐セレクトショップ「てんこす」にて、毎月第2土曜に継続開催されています。
 この取り組みを主催されているNPO法人福祉住環境ネットワークこうち「タウンモビリティ運営委員会」の笹岡さんから、タウンモビリティステーションは、単に移動のサポートをする場ではなく、専門知識を持つスタッフ(理解者)がいること、集う場があること、情報があることが重要で、それが障がい者、高齢者、子育て世代が街へ出掛ける魅力につながり、誰もが安心して利用できる中心商店街の実現につながる効果があると言うことや「今後の目標」である「ニーズにあわせた利用者の増加を図る」「月に1回から、頻度を増やし、まちのユニバーサルデザイン意識の向上につなげる」「空き店舗等を活用し、市民、観光客にも対応でき、障害者、高齢者が集える拠点となる場所を中心商店街の中に常設する」ことを目指されていることのお話を聴かせて頂きました。
 そして、今日のタウンモビリティ実施を見学させてもらいました。
 「てんこす」前では、スタッフ9人、ボランティア39人(内学生33人)の方々が打合せをし終えた頃に、利用者8人の方が順次参加してこられて、各組で商店街利用に出向かれたり、商店街のバリアフリー調査をされたりと賑わっていました。
 また、その間にも、笹岡さんと交流のある方が行き交い、その場に常に笑顔があることがとても印象的でした。
 高齢者や障がいのある方が、普通に利用できる人にやさしく、また出かけてきたい商店街が街の中心部にあれば、そこには人と人との交流と賑やかさの再生が図れることになるだろうと感じたところです。しかし、てんこす前という場所から、行き交う買い物客などにも気兼ねしながらの取り組みには多くのご苦労も感じられます。
 そんな取り組みの拠点づくりのための支援こそ今求められていると痛感させられました。

5月9日「昨日から、高校再編対象高校の業務概要調査」

 昨日から、県議会総務委員会では、出先機関の業務概要調査が始まっています。
 初っぱなが県立南中・高校で、今日は須崎工業高校、須崎高校、そして西高校と続きます。まさに、高校再編振興計画案で統合案の俎上にのぼっている高校を集中して調査することとなります。
 昨日、南中・高校では「再編振興計画案で、対象になってからは、動揺しないよう生徒達に寄り添い指導をしていきたい。南海トラフ地震対策としての避難訓練の繰り返しなど生徒達の速やかな安全の確保をしていきたい。そして、中高一貫校の成果を出す。」という校長先生の強い思いが述べられていました。
 議員とのやりとりの中で、「生徒達の強い母校愛も感じることができたし、生徒達のエネルギーや純粋な思いをサポートしていきたい」という校長先生の思いが吐露されていましたが、私の方からは生徒達への継続的なケアーを要望しておきました。
 また、校内を見学した議員からは、運動場の広さやセミナーハウスなど宿泊棟の整備がされている環境などを「統合」で放棄する事への懸念や地域の津波避難ビルとしての機能存続との関係など「統合理由」への疑問も聞かれました。(写真左は屋上から見る浦戸湾、右は階段掲示板に貼られたもの)
 今日の西高校の調査では、スーパーグローバルハイスクールのことなどについて、質問してみたいと思っています。

5月7日「県政意見交換会で御意見をお聞かせ下さい」

 連休中も、事務所片付けなどをし、明けていよいよ向こう一年間の臨戦態勢を確立せねばと思っているところです。
 まもなく、2月定例会の報告などの「県政かわら版第45号」の配布に取りかかります。
 そして、これからは市内各所で意見交換会を開催していくつもりですので、その告知もさせて頂いているところですが、お近くで開催する際には、どうぞお立ち寄り下さい。回を重ねること50回を超えようとしていますが、県民の皆さんとの意見交換こそが、新たな政策提言にもつながります。皆様のご協力をお願いします。
 県政意見交換会開催日程のご案内です
第49回 6月 8日(日)16時〜
 大津ふれあいセンター
第50回 6月21日(土)16時〜
 高須ふれあいセンター
第51回 7月12日(土)15時〜
 旭・木村会館
第52回 7月26日(土)16時〜
 鴨部・西部健康福祉センター



5月6日「関東大震災から91年、歴史的事件と向き合う」

 今朝の高知新聞10面には、「関東大震災から91年 朝鮮人虐殺の記録本に 歴史を正視し共有へ」の見出しで、関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺について書いた加藤直樹さんの「九月、東京の路上で/1923年関東大震災 ジェノサイドの残響」について、書くに至った背景や現場取材のことが書かれています。
「この本は関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺という歴史的事件の全貌を俯瞰的に描くのではなく、そのなかのいくつかの出来事の現場を見ていくものです。90年前の東京の路上に生きた(殺された)人々の姿が読者の記憶に残り、さらに関東大震災時の虐殺について現在に直結する問題として考えるきっかけになれば、それで本書の目的は達したことになります。」と著者は、ブログで述べています。
 吉村昭さんの「関東大震災」を読んでいた頃、2005年5月31日に墨田区を訪れた際に、墨田区横網町公園内の震災復興記念館の見学とあわせて、朝鮮人犠牲者の追悼碑にも手を合わせてきました。
 追悼碑には、関東大震災の際に流言飛語などによって、軍隊や警察ばかりでなく、在郷軍人・青年団などを中心に各地区で結成された自警団の民衆などによって、多数の在日朝鮮人が殺害されましたた。その数は正確には図りえないが、ニ七〇〇余名とも推定六四〇〇余人に上がるとの調査もあると記されています。
 記事を読んでみて、在特会によるヘイトスピーチが繰り広げられたり、浦和レッズヘイトスピーチ横断幕や四国八十八カ所遍路道外国人排除貼り紙などの排外主義的行為が横行する今こそ、改めて、この歴史的事件と向き合うことが必要なのではと感じたところです。この作品も早く手にしてみなければと思いました。


5月5日「『マンション防災力向上』は『地域防災力向上』にもつながる」

 今朝も東京を中心とした関東地方の地震速報で目覚めました。大きな被害はなかったようですが、ここ数日地震が頻発しており、気にかかります。
 さて、そんな中、2日に、設立時から情報提供を頂いているマンションライフ継続支援協会の飯田さんのご紹介で、高松を本社にマンション管理事業を展開されている穴吹ハウジングサービス(実は、私の住むマンションも管理委託をしています)を訪ねてきました。
 訪ねた建物では、マンション設備の仕組みや高齢者向け室内改良空間など防災や高齢者介護などをキーワードとしたマンションづくりについて、体験などもできる施設(あなぶきPMアカデミー)となっています。(写真左から避難はしご、湯沸かし発電鍋、防災備蓄品展示)
 高知からもすでに、マンション防災会の方が見学に訪れているとのことです。
 また、穴吹ハウジングサービスさんでは、マンション生活継続支援協会に加入し、マンション生活継続計画(MLCP)の策定について、管理マンションの管理組合に提案されています。
 協議の中で、同席されていたマンションライフ継続支援協会の飯田さんからは、国土交通省と連携して取り組んでいる新たな防災対策等マンションにおける課題解決に向けた合意形成等の成功事例の蓄積を通じ、管理適正化・再生推進に向けた環境整備を図るため、マンション管理組合をサポートする先進的な取り組み等を支援する「マンションストックの管理適正化・再生支援」の事業を高知か徳島で取り組みたいことや住民団体発意の地区防災計画などのお話があり、今後の可能性などについて協議することとしました。
 先日も触れましたが、高知においては分譲マンションの津波避難ビル指定が進む中、マンション生活が継続できる体制があるかどうかによっても津波避難ビルの機能継続が左右されるし、一時的にでもマンションで被災後の在宅避難生活を送ることができれば、避難所の収容人員に対する避難者の緩和にもつながり、マンション防災力の向上が地域防災力の向上にもつながるとの思いで、取り組んでいきたいと思います。

5月3日「『力による平和』でなく憲法という『力によらない平和』の選択を」

 今までになく憲法を取り巻く環境が危険な状況の中で、迎えた67回目の憲法記念日の今日、まずは、午前中の平和憲法ネットワーク高知2014定期総会の代表委員の一人として参加しました。
 総会では、「平和憲法号」の運行休止問題を巡る意見や特定秘密保護法の施行をさせない闘いの統一的な戦線の構築についての意見などが出されましたが、それぞれの御意見を踏まえて運営委員会での議論で運動の方向性を出していくこととしました。
 また、「平和憲法号」に関しては、「『平和憲法号』の運行継続を求める特別決議」を採択し、この決議を添えて改めて土電への申し入れをすることとしました。さらに、今後は、護憲アピール行動の代替行動として宣伝カーによる県内横断キャラバン活動を6月9日〜10日にかけて取り組むことも決定しました。
 午後からの憲法講演会は講師の浅井基文氏が空港へのリムジンバスの遅れに巻き込まれて、飛行機への搭乗がかなわず、来高できないということで、集会に切り替えて、極めて危機的な憲法状況に対して高知から反撃していく決起の意思統一の場としました。ハプニングに見舞われたものの集会には300人が参加し闘いの意思統一を行いました。、
 私も当初は、閉会の挨拶を手短にと依頼されていましたが、急遽少し長めに話すこととなりました。
 浅井さんがここにいたら、述べるであろうと言うことで、先生のコラムから引用して、「主権者が行動して日本を内側から変える内科的な治療を切に望んでいる。そのための「芽」はこの国にある。最近の世論調査で、集団的自衛権の行使容認に63%が反対という結果が出るなど世論の変化は一筋の光であり、芽である。二つ目の芽は沖縄であり、何十年も闘ってきたエネルギーと粘りを日本人すべてが学ばなくてはならない。三つ目の芽は、戦後日本において民主的要素を代表してきた女性である。男性中心で縦割りの組織社会で、女性の強みであるしがらみのない「個」の強さに可能性を感じる。ということ」を紹介しました。
 そして、「集団的自衛権の行使、日米安保・軍事同盟は「力による平和」であり、憲法は「力によらない平和」である。主権者としての「力によらない平和」を選択する主権者としての意思決定」ができるようにしようということを紹介し、そのための力を今日を機会に束ね広げていこうということを訴えました。
 集会では、主催者でもある「国民主権を守り暮らしにいかす懇談会」の「立憲主義を踏みにじる集団的自衛権容認に反対する声明」も採択しました。
 その後、街頭からリレートークとビラ配布で、集団的自衛権行使の容認を許さないためにも立憲主義に立脚した憲法を守らせる闘いを強化していこうと訴え、一日の行動を終えました。
 とにかく、正念場の憲法の危機と対峙していく決意をさらにさらに固めあっていきたいと思います。

5月2日「自主防災組織率に伴う活動を」

 今朝の高知新聞に「県内 自主防災組織率9割超」の見出しで、4月時点の組織率に関する記事が載っています。県は、本年度末までの組織率100%を目指すことにしているが、組織率の向上とあわせて、日常活動の活性化こそが求められています。
 私の住む下知地域でも、随分以前に結成されていた自主防災組織が、活動休止状態に陥っていた組織の活動を再開したいということで相談を受けています。気にかかっていた地域なので願ったり叶ったりで全面的に応援させて頂いています。この5月中には活動を再開される予定ですので、下知地区減災連絡会にも参加して頂くようお願いしてみようと思っています。
 今日は、マンション防災力の向上のため、いろいろと御指導頂いているMALCA(マンションライフ継続支援協会Mansion Life Continuity Association)の理事の方と高松でお会いして、マンション管理会社の方達とマンション防災についての協議をすることとなっています。
 高知では、分譲マンションの津波避難ビル指定が進む中、マンション生活が継続できる体制があるかどうかによっても津波避難ビルの機能継続が左右されるのではないかとの思いで調査・情報交換してきたいと思っています。








5月1日「利用者視点を最優先した『土電・県交通統合』議論の深化を」

 第6回中央地域公共交通再構築検討会で示された土電・県交通の10月統合新会社を設立するとした県中央地域の公共交通再編方針とスキームが固まったことを受け、各関係者の動きが活発になっているが、関係者間には結構な温度差があるようにも思えます。
 昨日の高知新聞にもあったように、沿線13市町村にとっても、その議論に直接関わっていない自治体にとっては、これから議論を深めるという所もあるのが実情のようです。今後10億円の行政支援が求められるだけに、各議会も含んだ議論は避けて通ることができません。
 また、利用者にとっても直接議論への関与がないだけに、「利便性やサービスの向上と県民にとって欠かせないもの」との視点が生かされたものとなるのかどうかへの懸念も生じています。
 私は、議会でこの課題を所管する産業振興土木委員会に所属していないだけに、委員会での意見反映をすることはできないが、再構築検討会は可能な限り傍聴しているので、今後の随時の情報発信は行っていきたいと思います。
 いわゆる関係する事業者、行政、金融機関、利用者をはじめとした県民という4者が、何よりも利用者視点を最優先した再生への一致した方向性を共有しながら、どの関係者も置き去りにすることなく議論を深めていくことが求められています。


4月29日「『土電・県交通10月統合』へのハンドルさばきは丁寧に」

 今朝の高知新聞などで、「第6回中央地域公共交通再構築検討会」で、土電・県交通の10月統合新会社移行り検討会合意がなされたことが、大きく報じられています。
 他に合意内容の主なものとして、新会社を支援するため県や沿線13市町村が合計10億円を出資すること。両者の累積債務約75億円のうち金融機関は26〜28億円を債権放棄すること。私的整理のため一般債権者には影響がないが、既存株主の権利は消滅すること。などがありますが、それぞれの関係者がこれらを受け止めて、この方針に対する組織的な対応が検討されることとなります。
 しかし、県民・利用者への支援のお願いの項では「今回の統合を機に、今まで以上の利便性と安全性の確立が成された公共交通機関としての役割を果たしていくことが可能となる」ということの前提が明記されていてもいいのではないかと思われますが、そこに触れられていないことが残念です。
 また、この改革に伴って両社の従業員へのしわ寄せも免れないだけに、雇用の面からもしっかりと議論していく必要があります。
 とにかく、行き詰まって破綻するのではなく、「持続可能で利用者にとって安心・安全・利便性の高い公共交通機関」としての再生は、この方法しかないのか、県民が理解と納得のできる説明責任を事業者・金融機関・行政がしっかりと果たしながら、再生への道程を進んでいく、しかも、相当のスピードで走って行くこととなります。個人的には、ハンドルさばきを間違えると「事故」を起こしかねない内容も孕んでいると思われるだけに、ハンドルさばきの丁寧さも求められようかと思います。 
 6月定例会に向けて、我々も議会としての賢明な判断が迫られますので、県民の皆さんとの議論も重ねていきたいと考えています。改めてご案内しますが、6月8日、21日と県政意見交換会を開催予定ですので、御意見を聞かせて頂ければ幸いです。

4月28日「地震火災対策で『津波火災』は避けて通れない」

 今日、「高知県地震火災対策検討会」が起ち上がり、第一回検討委員会を傍聴しました。
 検討委の審議内容は、南海トラフ地震による木造住宅密集市街地での大規模火災による被害の軽減を目的に、地震火災対策の検討及び指針を今後取りまとめるためのものです。
 検討委メンバーは、全て県外委員で地震火災の専門家ではありますが、県内委員も必要なのではないかと思ったところです。
 また、検討事項に「津波火災」の課題がなかったことに対して、私も懸念していましたが、関澤委員長が「津波火災対策は別検討委で議論していると言っても、この検討委から外すことにはならない。委員長としては、検討事項に入れておくようにして頂きたい。」と述べられていました。そのとおりで、今後の議論に期待もしたところです。
 今日のところは、「南海トラフ地震の被害想定等について」「地震火災対策の検討について」「検討会での検討項目について」「大規模火災発生の危険性が高い地域の抽出方法について」などが、議論されましたが、次に控えていた「第6回中央地域公共交通再構築検討会」の開催時間が迫っていたために、残念ながら途中退席することとなりました。
 今後は、高知県LPガス協会などにも傍聴して頂くなどの検討が必要ではないかと思ったところです。



4月27日「土電・県交通の統合議論の基底に『利用者中心の安全性』を」

 106人の乗客と運転士が死亡したJR宝塚線脱線事故から9年、遺族とJR西日本幹部、有識者でつくる安全フォローアップ会議による報告書が公表されました。
 朝日新聞社説によると、「JR西は、『安全対策をすり抜ける想定外の事故』との認識だが、フォローアップ会議は『事故は起きるべくして起きた』との前提に立ち、直接原因の背後に潜んでいたさまざまな要因との連鎖を分析しています。そして、経営陣は事故前、収益増を狙って宝塚線のダイヤを高速化し、高速で走るほどミスが事故につながる危険は高まるが、安全装置でカバーする発想は乏しく、運転士の負担は増加し、運転士のミスに対しては、懲罰的な指導で臨み、運転士は萎縮するあまり、かえってミスを犯すリスクを見過ごしてしまったという『経営層もヒューマンエラーの罠に陥る』と表現した。」と述べています。
 まさに、そこには、収益増を高めるためのしくみが「リスクの連鎖」を生みだしていたとしか思えません。
 そして、このことは先日の韓国客船沈没事故をはじめ、高速バス事故などあらゆる交通機関の事故に共通しているのではないでしょうか。
 そのようなことを考えながら、いよいよ明日第6回中央地域公共交通再構築検討会で出される土電と県交通の「統合」に関した方向づけがどのように示されるか気にかかっています。
 第5回検討委傍聴後に報告したように、「経営効率優先」「増収策」が強調されるあまり、「血を流しすぎる統合改革」によって「利用者不在」の「統合」が進められた時、「リスクの連鎖」が生じることを懸念します。
 明日の検討委で示される方向性に「利用者中心の安全性」が基底に据えられていることを願うばかりです。

4月25日「問われる『老々』介護の監督責任」

 2007年12月、愛知県で認知症の男性が徘徊中に、JR東海道線駅の構内で列車にはねられた事故で、JR東海が損害賠償を求めた訴訟において、「要介護4」の男性の日常的な介護をしていて、自らも「要介護1」と認定された同居する当時85歳の妻に対して、名古屋高裁は監督責任を認め約359万円の支払いを命じた判決を下しました。
 認知症の人の数は急増し、2012年時点の推計で約462万人、65歳以上の約7人に1人に達しています。また、国は今後の認知症施策の方向性について、「認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ない」という考え方を改め、「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現をめざすということで、在宅介護へとシフトしていく中、認知症の介護は誰にとってもひとごととは言えない状況になっています。 そのような中、この判決を受け、今後「裁判で責任を問われる介護家族が増えるのではないか」、「閉じ込めるしかないのか」との、家族からの切実な声があがっており、「認知症の人と家族の会」の高見国生代表理事は「24時間、一瞬の隙もなく家族が見守ることは不可能。それでも徘徊を防げ、と言われたら、鍵つきの部屋に閉じ込めるしかなくなってしまう」と危機感を募らせているとのことです。
 さらに、在宅介護者だけでなく、介護事業者が見守り責任に過敏になれば、認知症の人がさらに行き場を失ってしまいかねず、施設関係者からも「徘徊が激しい人を受け入れたときのリスクが高まるなら、この先、受け入れを断るところが出てくるだろう」と警鐘が鳴らされています。
 「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現を阻むことになりかねないJR東海の訴訟姿勢や今回の判決は看過できません。

4月24日「避難計画策定前提の再稼働の怖さ」

 今朝の朝日新聞には、「浜岡原発事故、住民避難最短でも32時間 静岡県が想定発表」の記事。昨日は「原発の新規制基準『住民守れぬ』 泉田新潟県知事」の記事と、再稼働の前提となる自治体の避難計画の困難さが明らかになっています。
 南海トラフ巨大地震と津波が発生し、中部電力浜岡原発で重大事故が起きたと想定した避難シミュレーションでは、避難指示後、原発から半径31キロ圏にいる86万人が避難し終わるまでに32〜46時間かかることを静岡県が公表しました。
 避難指示の18時間後に爆発した東京電力福島第一原発事故を重ねると、「一部住民が被曝する可能性が高い」としています。
 今回のシミュレーションでは、車での避難想定だが、地震による道路の損壊や入院患者や高齢者ら「災害弱者」への対応も考慮されていないが、考慮すれば、避難の時間はさらに延びるとみられています。
 「原発再稼働の前提」とも言える自治体の原子力災害時における避難計画は、現在でも4割の自治体で未策定の状態と言われていますし、策定済みのところでもそれらは、再稼動最優先で、まともな避難対策ではないとも言われています。
 泉田知事は、新基準は一定の確率での事故発生を前提にした機械の性能審査であり、「緊急時に自治体がしっかり対応しなければ住民の安全は守れない」と指摘しています。現実的には「実効性ある避難計画」の策定が極めて困難なことも、各自治体で明らかになっている以上、「再稼働」にこだわらない選択肢を追求することこそが求められているのではないでしょうか。





4月23日「石巻『白壁土蔵』が震災を語りつぐ」


 昨日の夕刊に、東日本大震災の津波で被害を受けた宮城県石巻市門脇町で、奇跡的に残った白壁の土蔵が修復され、公開されることを報じた記事がありました。
 震災遺構がさまざまな議論で姿を消す中、所有者の本間さんは「津波に耐えた土蔵を通じ、あの日のことを伝え続けたい」との思いで、全国からの支援金で修復が実現したものです。
 この地域は、3.11の時、約6メートルの津波に襲われ、震災前は約860世帯あったが、今では23世帯のみだと言います。
 私は、2012年2月5日、石巻を一人で訪ねましたが、その時、この土蔵を訪れました。雪景色の中ですくっと建つこの土蔵が残されることを願ったものでしたが、瓦や扉は修理したが、壁に残る傷痕はあえてそのままにして、修復されたこと記事で知って、本当に良かったと思いました。この土蔵は明治三陸津波の翌年の1897年に建てられたもので、それが耐えたということに、改めて驚くばりです。
 内部には本間さんらが震災直後から撮影した写真や郷土史料を展示されているそうですが、また、改めて訪ねてみたいと思ったところです。

4月22日「『労働者酷使』『首切り自由』の雇用規制緩和を許さない」

 政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)は、今夕開かれる経済財政諮問会議との合同会議に「労働時間にかかわらず賃金が一定になる働き方を一般社員に広げることを検討する。」ことを提言し、6月に改訂する安倍政権の成長戦略に盛り込むことを検討していると報じられています。
 これまで安倍首相は、ことある毎に「日本は、『世界で一番企業が活躍しやすい国』を目指す」と言ってきたが、労働関係法制の規制緩和などと並ぶ究極の「労働者酷使制度」であると言えます。
 この制度は、法律で定める労働時間より働いても「残業代ゼロ」になったり、長時間労働の温床になったりするおそれがあるとして、第1次安倍政権でも、高収入の社員を対象にした「ホワイトカラー・エグゼンプション」として法改正を目指したが、「残業代ゼロ法案」や「過労死促進」との批判を受け、断念した経過があります。
 にもかかわらず、今回は年収が1千万円以上など高収入の社員のほか、高収入でなくても労働組合との合意で認められた社員を対象とするというもので、いくら社員本人の同意を前提にすると言っても、企業の扱い方次第で、「同意」などは名目に過ぎないことになってしまうのではないかと思われます。
 「世界で一番企業が活躍しやすい国」は、労働者を残業代ゼロで長時間酷使し、首切り自由な扱いのできる国であることを見据えた闘いが求められていると言えます。
 そんな決意を示す第85回メーデーが近づいています。
 週刊金曜日の臨時増刊号にも毎日新聞記者の東海林智記者が「『岩盤規制』の突破というレトリック」と題して、一気に進む雇用規制の緩和への警鐘を鳴らしています。



4月21日「『子どもの貧困』の実態と向き合うことから」

 一昨日、「こうちネットホップ」春の講演会で、「子どもの貧困」「弱者の居場所がない社会」などの著者阿部彩さん(国立人口問題・社会保障問題研究所)の「子どもの貧困:政策にむけて」との演題の講演を聴く機会がありました。
 「こうちネットホップ」が、子どもから若者、高齢者までの生活格差の拡大や貧困が深刻化するなかで、ホームレスやワーキングプアなど生活困難に直面している人たちを支援している団体ですので、当然「貧困の問題」に関心を持つ方たちが多く、90名の参加者が熱心に耳を傾け、質疑も活発に行われました。
 高知新聞記事にあるように、講師と参加者の間に「消費税」を巡っての溝がありましたが、それでも今の税制が富裕層に有利な中で、富裕層を代弁した政治勢力が権力を握っている中、その層をどうやって説得するのか、そのような運動が我々にも求められているとの講師の指摘は、歯がゆくても受け止めた上で、運動を展開していかなければと感じました。
 講師も、子どもの貧困を少しでも解消したいとの思いは強いが、「霞ヶ関、永田町の人たちは貧困対策に金をつぎこみたくないのが本音ではないか」と言わざるを得ないからこそ、子どもの貧困を少しでも解消していくための支援策にプライオリティをつけたり、肯定はできませんが財源確保面での消費税を認めざるをえないことに触れざるを得なかったのかもしれません。
 我々は改めて、講師が、その著書の「子どもの貧困」や新刊の「子どもの貧困U」の中で、明らかにしている子どもの貧困の実態と向き合い、子どもの貧困の問題は大人の貧困の問題でもあることを踏まえ、それを変えるための闘いに力を注いでいくことを痛感させられた講演でした。



4月20日「移動中に見かけた市内三景」

 昨日、自転車で移動中にいろいろと市内で見かけた光景です。
 まずは、やなせたかしさんのお別れ会会場の県民文化ホールに並ぶ長蛇の参列者の皆さんです。素晴らしいお別れ会だったことが、いろいろと報じられていました。
 次に、天神橋から見かけた鏡川で、シジミ取りをされていた方々たちです。県庁所在市のど真ん中で、こんな光景なんて全国でもあまり見かけないのではないでしょうか。
 そして、最後は塩屋崎の避難登り口の写真ですが、写してみてびっくり。
 「民権ばあさん」として名高い楠瀬喜多さんのお墓の標柱。
 さらには、坂本龍馬の父の生まれた里の先祖代々の墓地と刻まれた標柱。
 そして、高知市に流行したペストの治療と予防に尽力し、高知市議会議長もつとめられた近森虎治さんの墓の標柱と並び、歴史を感じる避難路でした。

4月19日韓国旅客船沈没で考える『紫雲丸事故』」

 修学旅行中の高校生ら乗客乗員470人以上が乗った韓国旅客船が、韓国南西部の珍島沖合で16日に転覆、沈没し、多くの死傷者が出ており、200人を超す乗客が安否不明となっています。
 救助作業は、難航を極めているが、一刻も早い救助を願っています。日本も支援の申し出をしているが、近隣国から早急な救助支援体制がとれないものかと思います。
 あわせて、この事故では200人以上の修学旅行生が行方不明になっているということもあり、すぐさま1955年に高松市沖で起きた宇高連絡船「紫雲丸」沈没事故を思い出しました。
 あの事故では168人が波間の犠牲になり、修学旅行の南海中の生徒が巻き込まれ、28人が犠牲になったことは、忘れてはならない事故として「教訓」を伝え続けなければなりません。
 手元に「紫雲丸事故を語りつぐ会」が2012年11月に発行した「検証 紫雲丸事故−南海中学校の悲しみ 28人の犠牲をムダにしないために『伝えなければならない教訓』」という「事実検証資料」がありますが、その資料によると事故の最大の原因、犠牲者拡大の要因は「国鉄当局の運行方針に事故を誘発する要因があったこと」「紫雲丸の左転行動が沈没事故の直接原因を誘発したこと」「引率教諭、国鉄職員らの避難誘導の放棄が『犠牲を広げた原因』をつくったこと」とされています。
 一方で、この事故で犠牲を大きくしたのは、修学旅行生の被差別部落の子どもたちかのようなことが流布されていたことに対して、この資料では「当事者の誰かが、避難誘導の責任逃れのためにつくった話ではないか」として「犠牲を広げた原因を部落問題にすり替え、差別と偏見を助長することにもなった」と厳しく指摘されています。
 27回目の3月24日を迎えた「高知学芸高校上海列車事故」、59回目の5月11日を迎えようとする「紫雲丸事故」で犠牲になられた生徒達のことを忘れることのない高知県民にとっては、4月16日の「韓国旅客船の沈没事故」は他人事ではありません。
 一刻も早く、救助作業が進み、多くの命を救い出すとともに、再発を防ぐための事故の教訓を生かさなければならないと思うばかりです。




4月18日「『憲法論議をためらう』風潮に危機感」

 今朝の朝日新聞には、私の「右傾化する社会の流れを推し量り、萎縮する動きだとしたら残念」というコメントも含めて「平和憲法号」関連の記事が「ためらう?憲法論議」との見出しで掲載されています。
 この記事では、神戸市が「政治的中立性損なう」という理由で今年5月3日に予定されている「神戸憲法集会」の「後援」要請を拒否したということとあわせて、「政治的中立性」という理由を背景に論じられる憲法と関わりたくないという動きに警鐘を鳴らしています。
 神戸新聞によると、神戸市が申請された後援を拒絶した理由として、市長、教育長の回答には「憲法に関しては『護憲』『改憲』それぞれ政治的主張があり、憲法に関する集会そのものが政治的中立性を損なう可能性がある」と明記しており、教育長の回答には「昨今の社会情勢を鑑み」とも記されていたと言います。
 昨日のやりとりの中で、土電側が答えていた「客観的に見て、政治の色合いを帯びてきたと判断されるようになったこと」や「論争の場に電車が巻き込まれたくない」というニュアンスと似ており、自治体と民間企業を同列に扱うことはできないにしても、「憲法論議」に関わりたくないという傾向が強まっていると感じざるをえません。
 「政治的中立」が厳に求められる場合が必要であることも踏まえなければならないが、はき違えた「政治的中立」を大義名分に、結果として「憲法」と関わることを避け、「改憲勢力」にくみするかのような動きが蔓延することを懸念するばかりです。
 その意味でも、5月3日を前後としたさまざまな憲法を守らせる取り組みを広げていきたいと思います。
5月3日(土)
 10時30分〜 平和憲法ネットワーク高知総会(共済会館)
 13時〜     憲法講演会「安倍外交・安全保障の問題点を斬る」(RKCホール)
 16時〜     憲法街頭行動・リレートークなど(中央公園北口)

4月17日「『憲法守るのは当然』だが『論争の場に電車が巻き込まれたくない』」

 先ほど、土電取締役の皆さんと今回の「平和憲法号」の運行中止の件について、話し合いをしてきました。
 結論は、内容の云々にかかわらず、国会で議論が二分されている憲法の課題については、車体広告で取り上げることは「慎みたい」ということでした。「慎みたい」というのは、言葉は丁寧で、極めて曖昧なので、最終確認に対して中止についての再考の余地はないとのことでした。
 憲法については、「守るのは当然」と言いながら、「客観的に見て、政治の色合いを帯びてきたと判断」されるようになったことで、「論争の場に電車が巻き込まれたくない」とか、「おかしな方向に行きそう」などと言われていましたが、それこそが「政治的な判断」ではないかと思われます。
 一部から批判的な声があがれば、閉架した昨年の「はだしのゲン」のことを思い出してしまいました。
 これまでも、さまざまな声がある中、努力して頂いた土佐電鉄のご努力には敬意を表していますが、時代の流れが「萎縮する企業」「忖度する企業」をつくり出している今の社会の怖さを感じています。
 平和憲法ネットワークとしては、今後の対応について、改めて協議していくこととなりますが、土電との間では、残念ながら話し合いの再開は困難であると思われます。










4月16日「土電『平和憲法号』を消さないために」

 今朝の毎日新聞30面に「高知 消える「平和憲法号」」の見出し記事に驚かれた方も多いと思います。
 私も代表委員を務めさせて頂いていてる「平和憲法ネットワーク高知」などで2006年から取り組んできた土佐電鉄の路面電車に車体広告で憲法9条や25条の大切さを訴えてきた「平和憲法号」の運行を中止したいという申し入れが土電からあり、運行の継続について折衝していたところです。
 長きにわたって5月3日の憲法記念日前後から高知市など3市町で約4カ月間運行してきたもので、今や「土佐の初夏の風物詩」とさえ言われて、県民の間で定着し、「あれに乗るのが楽しみ」とか「丁度乗り合わせることができて良かった」との声が聞かれていました。
 また、県外からの観光客からは、「さすが、自由民権発祥の地、土佐だけはある。こんな電車を市民と企業が一緒になって取り組むなんて、凄い。」とのお声も頂いていました。そんな中、今年も準備をしようとしていた矢先の話です。
 土電側は、これまでの説明では、「『憲法を守ろう』という広告は意見広告ではないか」との抗議が電話やメールで数件ずつ寄せられた。」ということで、「意見広告は内規で禁じている。『平和憲法号』なども世論が変われば意見広告ととられることもあり、政治的な問題になってしまったので運行は中止する」と通告したと報じています。
 だとすれば、これ以外に「内容が意見広告であると誤解を招くような広告」は、全て中止するということなのか、その尺度は何なのかなどは折衝の段階でも明らかにされていないようです。
 この高知発信の「平和憲法号」が、安倍政権のもと、憲法改悪への加速化が図られようとしている流れの中で、「消える」ようなことがあってはならないと思います。今こそ、強まる圧力に屈することのないように、県民をあげて「消さない」動きを強めようではありませんか。
 記事の中で、上脇博之神戸学院大法科大学院教授は「憲法についての議論は最近始まったことではなく、以前からある。抗議を受けたから取りやめるということ自体が一貫性のないおかしな判断で、公共交通機関の担い手としては無責任だと言わざるをえない。」とコメントされています。
 明日には、私たち代表委員も含めて、正式な話し合いを持つこととしています。



4月15日「公共交通維持に欠かせぬ従業員のモチべーションと利用者の声」

 昨日第5回中央地域公共交通再構築検討会が、開催され、傍聴しましたが、これまでと違って会場も広く、「事業再生のプロ」と紹介された「森・浜田松本法律事務所」と「デロイト トーマツ ファイナンシャル アドバイザリー」の4人とその同行者なども出席した雰囲気も違っていました。
 会議は、この「プロ」達から報告された経営状況の説明から、今まで「厳しい」と言われていた状況が数字をあげて説明されました。
 詳細は、新聞などでも報道されているとおりですが、5年後には売上高で土電が8億円減の44億円、県交通が2億円減の18億円まで下落し、借入金の返済原資にもなる余剰資金の年間フリーキャッシュフローは土電が1億2千万円、県交通は7千万円のそれぞれマイナスの見込みになるとされています。また、借入金は土電が45億円、県交通が30億円とここ5年間でほとんど減少していない状況となっています。
 路線バス事業では、補助金を加えても大きな赤字を生み、車両の買い換えも進まず「公共交通機関としての安全性・利便性の確保が危惧される」との指摘もある中、単独でのコスト削減では僅かだが、経営統合した場合には2億1千万円の改善効果があることなども示されました。
 これらを受けた検討を踏まえて、集約的な方向性としては「バス事業だけの統合では困難であり、経営統合で検討すべき」となりました。
 次回28日の第6回検討会では、持続可能な再構築のスキーム案の取りまとめがされることとなりました。
 傍聴して感じたのは、次回には経営統合した上でメスを入れることが効果があるということを具体的数字を含めて提案すると言われる中で、従業員の扱いがどのように試算されるのか。血を流しすぎるようなことになっては、従業員及び「事業者」のモチベーションが維持できなくなるのではないかと心配します。
 また、再構築にあたって公共交通を持続的に維持するための関係者のバランスの取れたスキームの必要性が言われる中、「事業者」「取引金融機関」「行政」「利用者」の関係者のうち、「利用者」がその検討に加わっていないことをどう捉えているのかと感じざるをえません。
 「利用者からのさらなるご支援・ご理解を頂く」ために、何が必要なのか、「利用者」の声を大切にしなければ利用者不在では、真の再生方向は見いだせないのではないでしょうか。


4月14日「あらゆる想定の津波避難空間を」

 この間、津波避難タワーの建設ラッシュの中で、直接目にした中土佐町、南国市、四万十市のタワーを紹介してきましたが、先日四万十市にJRで往復した際に、黒潮町で完成した5基の津波避難タワーのうち3基を列車の中から見かけました。
 5基のタワーで、総工費7億6千万円、790人の避難が可能だと言うことですが、これは、地域住民の避難者を想定したものだと思いますが、もし、満員の特急列車で移動中に地震が発生し、乗客が避難しなければとなったとき、どうなるのだろうかとも、考えたりしながら通過しました。
 今、私たちの住む昭和校区地域の避難行動計画を策定する際にも、昼間人口が1.5倍となる地域、また、交通量もかなり多いことなども想定した計画としなければならないとの話をしていますが、これからもさまざまな想定をした避難空間の確保が求められます。







4月13日「福島を取り戻す闘いは地球を守る闘い」

 2年前に発足した「原発をなくし、自然エネルギーを推進する高知県民連絡会」の第3回総会が開催されました。総会前に「丸3年−福島原発事故後のふくしまのたたかい」と題して、福島県農民連会長亀田俊英さんが、講演をして下さいました。現地から「今、福島原発はどうなっているのか」、「進まない除染」の課題、「長期化する避難生活」「なぜここまで長引くのか」「福島県民の生活の深刻さ」「生業をかえせ、地域を返せ裁判などどう闘っているのか」そして、「これからどうなるのか」「私たちがめざす地域自立型社会への転換」をはかるための「安全なふくしまとりもどすたたかい」「地産地消のエネルギー」「原発ゼロのたたかい」の全国的な展開などについて述べられました。
 最後に、述べられた「40億年かけてつくった地球という財産を一時の利益確保のために失うことがあってはならない」との言葉に、強い決意を感じました。
 総会では、この2年間の運動を踏まえて、さらに若者や保守層までをどう巻き込んでいくのかについても、意見が出され、今後の世話人会でも議論がされることとなりました。「再稼働」と向き合う正念場の年に、改めて運動の再構築が求められています。





4月12日「3.11の反省を忘れた新エネルギー基本計画」

 政府が新たなエネルギー基本計画を閣議決定したが、それは3.11以前に逆戻りするようなシロモノで、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けており、双葉郡や避難自治体の首長からは、「福島第1原発事故の教訓が生かされていない」など批判や疑問の声が相次いだということです。
 被災地の首長だけでなく、多くの民意は、序文の「深い反省」の削除や復活など二転三転した経緯も含めて、再稼働を進める方針は許せないとの思いで共通していると思います、
 福島第1原発では汚染水問題など廃炉に向けて課題が山積しているし、先月の朝日新聞の世論調査では、原子力発電所の再稼働の賛否に対する「賛成」の28%を大きく上回る59%の「反対」という民意とかけ離れた基本計画は認められるものではありません。
 昨日、終盤を迎えた四万十市議選の応援に出向いて、四万十川が目に入る度に、そして、自然の恵みで営まれる田んぼで耳を傾けて下さる皆さんを前にしたとき、伊方から50qしか離れていない四万十市で訴える脱原発の訴えには、力が入りました。


4月10日「曳き家職人 ただ今修行中」

 今朝の高知新聞「ただ今修行中」305人目で曳き家職人の飯田秀幸さんが紹介されています。3月に高知市内での工事中に取材を受けたものです。
 私も、この時期、師匠の岡本さんからのご連絡を受けて、現場を見せてもらいました。その時の様子は3月24日付けのこのコーナーでご報告させて頂きました。その時の写真では、お尻だけでしたが、記事ではしっかりと職人の顔を見せて頂いています。
 岡本さんとの師弟関係や飯田さんが曳き家という仕事の必要性と続けていくという決意をよく描いてくれている記事だとは思うのですが、「新築した方が安いため、仕事は年々減り」という下りは、間違っているのではと感じたところです。今までにお聞きしている話からすれば、新築より高いはずがありません。仕事が減っている状況はあるかもしれませんが、「新築した方が安い」からという理由ではないということだけは、読者の方にご理解をして頂く必要があると思ったところです。
 そして、「被災後」だけでなく「被災前」でも「揺れ」への備えとして必要な技術であるということ。むしろ、生活をしながらの「沈下修正」で「傾きのない日常」を取り戻せるという丁寧な仕事は、何としても必要な技術であり、この技術を持つ職人がこれからの高知で育てられなければならないと思うとき、岡本さん、飯田さんに今まで以上のエールを送りたいと思います。
 改めて、県が着手しようとしている「住宅震災復旧支援事業者の育成支援・復旧技術の普及啓発」事業にとどまらない可能な支援制度を早期に確立されるべきだと思っているところです。


4月9日「地元の防災製品カタログ」

 05年2月定例会で初めて「防災産業の育成」を提起して以来、09年2月定例会で「地震・防災対策を進めれば進めるほど、県内に金が落ちる仕組みもあわせてつくっていくことを考えるべきではないか。」と訴え、産業振興計画の中で防災産業について、盛り込むことを提起しましたが、その時は、研究どまりでした。
 その後、県としても防災ものづくりにも力が入れられ、防災産業交流会が開かれ、開発と普及の支援が積み重ねられてきました。そんな中「高知防災モノづくり SELECT BOOK」が発行されています。
 カタログには、59件の製品・技術が掲載されており、この間の進展度合いがうかがえます。
 ぜひ、皆さんも手にとって頂き、今後の防災・減災に役立てていただきたい思います。
 これからが、これらの防災製品・技術の「外商」に力を入れられると言うことですが、その前に、まず県内での認知度を広げて頂きたいものです。
 先日、下知地区の津波避難ビル指定マンションが県外の地震解錠補助装置付防災キーボックスを取り付けた際にも、何故県内製品を取り付けてくれなかったのだろうかとの御意見を頂きましたが、そのことが知られていなかったということだったようですので、今後はそのようなことのないような「営業」活動も求められてくるのではないでしょうか。



4月8日「強まる有権者の平和志向」

 昨日の朝日新聞の「憲法に関する全国郵送世論調査」では、集団的自衛権について「行使できない立場を維持する」が昨年の調査の56%から63%に増え、「行使できるようにする」の29%を大きく上回り、憲法9条を「変えない方がよい」も昨年の52%から64%に増え、「変える方がよい」29%との差を大きく広げています。
 また、武器輸出の拡大に反対が71%→77%、非核三原則を「維持すべきだ」も77%→82%。自衛隊の国防軍化に反対も62%→68%と増えるなど、1年足らずの間に軍事力強化に対する不安を強めている傾向が見られます。
 改憲の是非についても、今の憲法を「変える必要はない」の50%が「変える必要がある」の44%を上回るなど、平和志向がのきなみ高まっていると言えます。
 先日、高知でも講演して下さった水島朝穂・早稲田大教授は、この結果を受けて「憲法は国家を縛るものだという近代立憲主義の考え方が有権者に浸透しつつある。国家という存在を懐疑的に見ることができるようになれば、「集団的自衛権を行使できるようにすることで国民を守ってあげます」という政府の主張をうのみにはしない見方になる。憲法や平和の問題を個人のレベルからも近代立憲主義の観点からも考えるようになってきた有権者。前のめりで強引な施策を押し通す政権は、いずれ有権者の手痛いしっぺ返しを受けるだろう。」とコメントされているが、その意思をさらに広く強く表示していくことが求められています。















4月7日「3.11後増える『津波避難ツインタワー』」

 土曜日から、支援する四万十市議の応援のため、四万十市に行く機会があったので、下田の「津波避難ツインタワー」を訪ねてみました。
 県内では初めて、以前に作ったタワーが新想定によって高さが足りないとのことで、1年前に追加建設されているもので、写真中央にあるように左が海抜15.6b右側が18.6bとなっていおり、連結されています。高い方には、南国市の場合と同様に半鐘がついていましたが、最近のものには、備え付けられるようになったのでしょうか。
 これらの備えを、いざというときにどれだけ生かせるかという訓練の繰り返しが求められています。市議選挙でも、いずれの候補も南海トラフ地震への備えを訴えておられますが、より具体的に取り組んで頂きたいものです。
 また、
四万十市会議員選挙にあたって、「脱原発四万十行」の皆さんが行った、予定候補者全員に対する「伊方原発再稼働に対する公開質問状」の郵送調査の結果が公表されています。
 22名中      質問状を拒否    2名
         
回答なし    11名
                 回答者       10名(無記名での回答者1名を含む)
           再稼働に反対(どちらかといえばを含む)      8名
              再稼働にどちらかといえば賛成                1名
                   判断できない回答                             1名

 となっていますが、私が支持する候補者は「再稼働に反対」その理由として「人間の作ったものに絶対安全はありません。理由は材料の摩耗、損傷はいくら点検しても0にはなりません。その上、ヒューマンエラーも0にはなりません。一旦事故が起き、放射能漏れを起こすと、半永久的にそこに住めなくなります。一般の事故はその時の損害だけですみます。伊方原発の北側6kmの所に中央構造線という九州から関東に至る大きな断層があります。これが動けば伊方原発はひとたまりもありません。」と答えておられました。

4月5日「『高知城花回廊』の華やかさをご覧あれ」

 昨夜から始まり、6日(日曜日)まで開催されている「高知城花回廊」を昨夜少しだけ覗いてきました。
 「和で綴る花と灯り」をコンセプトに高知城が華やかに演出されていて、高知城の追手門から天守閣までの通路を生け花などを飾りつけ、生け花の大作や灯籠を設置し、会場全体を灯りで彩っています。
 明日まで、少し寒いようですが、普段見ることのできない高知城の姿が見られます。
 どうぞ、足を運んでみて下さい。

4月4日「『公共交通』土佐電鉄・県交通の統合視野に協議へと」

 昨日、傍聴した第4回中央地域公共交通再構築検討会は、マスコミや傍聴者が会場一杯の中で、今までと違った雰囲気の中、始まりました。
 キーワードとなる「自主単独での維持困難」という言葉が土佐電鉄、県交通の両社長から発せられたことによって、議論の方向づけが決まったという感じでした。 
 検討会では、土電と県交通の経営状況の現状などが報告される中で、両社から「今の厳しい状況では、精一杯経営努力をしても自主単独で維持再生することは困難」との意思表示がされたことや四国銀行が「体力的に自主単独での維持が難しいというのであれば、金融機関としては、放置できない。新たな支援も含めた検討したい。」等との意見が出される中、会長が「次回検討会で、経営状況の厳しい状況を具体的な数字をあげて示すことと、増収対策の説明をして頂くこと。統合した場合の課題と手法についての検討をしていく。」とまとめたことから、次回からは「土電・県交通統合を視野」に向けた方向で議論がされることとなります。
 確かに経営状況の見通しは、極めて厳しいが、公共交通としての利便性・安全・安心の確保と同業他社や県内企業と比較して極めて過酷劣悪な状況で働く従業員の雇用確保の問題が蔑ろにされてはいけないということも踏まえられた議論となることを願っておきたいと思います。
 また、土電社内改革の問題では、不透明な優待航空券の取り扱いで高松国税局から指摘を受け、税務調査を受けていた問題で、50万円の修正申告したことが報告されるとともに、領収書発行問題については、「片がついていないことを忘れてはならない。前会長への(事実解明を)求め続けること」と副知事から指摘がされました。
 いずれにしても、県民が自らの課題として「本県の公共交通のあり方」について、今まで以上に注視していく必要があるのではないでしょうか。
 次回検討会は14日に開催されます。

4月3日「チリ沖からの津波心配しつつ、南国市津波避難ビル視察」

 昨日、南米チリ沖で発生した地震の津波が心配されましたが、今朝三時に津波注意報が北海道、東北、関東地方太平洋沿岸に5時から6時にかけて最大でTbの到達予測が出されました。現状では、7時半過ぎから岩手県沿岸などで数十pの津波が記録されているようです。
 そのように、昨日は心配された一日でしたが、新聞の報道にもあった南国市の完成した14基の津波避難タワーを個人的に見学してきました。
 最初に訪ねた最大の浜改田本村のタワーの隣で農作業をされていた方が旧知の知人だったことからも、案内をして頂きました。
 スロープでの登り口をはじめ三方向から避難できるようになっていますし、防災倉庫や簡易トイレを持ち込み設置するトイレスペースは扉や棚が県産材使用となっていたり、最上階は、ヘリコプター救助に備えて屋根(太陽光パネル付)を一部省くなどの構造で、半鐘も備えられています。防災備品については、これからとのことですが、住民の意見を踏まえた対応がされることを期待したいと思います。
 他にも、何カ所か回りましたが、全て鉄筋コンクリート造りで、今までよく見受けられた鉄骨造りのものと比べると相当頑丈なもので安心感が与えられるものとなっていました。
 中には、以前に作ったタワーが新想定によって高さが足りないとのことで、追加で増設された前浜浜窪タワーのようなケースもありました。また、タワーによっては、着色されたものもありましたが、せめて、登り口や階段、目印となるところなど重要箇所は、蓄光塗料などが塗られておくことも考えられたらと感じたところです。
 案内して頂いた方と日頃の訓練など、活用の仕方の工夫が考えられことなどについても意見交換したことでした。
 今朝の津波注意報が、高知にも及んでいたら、住民の皆さんが避難されたのだろうかと考えながら、今朝は2時半頃から起きています。

4月2日「安倍政権の女性活用戦略の本質を見失わず、闘いを」

 4月1日は、毎年のことでありながらも、新たな社会人がスタートを切る節目の日でもあります。マスコミ報道は、さまざまな入社式など新社会人の出発を報じていました。
 高知県庁でも106人の新採職員への辞令交付がされたわけですが、今年は新採職員の内6割弱の62人が女性であることが、目をひきます。これまでの20年では、女性は概ね3〜4割で、今年は一気に比率が逆転したようです。
 しかし、その女性職員が気持ちよく働き、働き続けられる環境を整備できるかが、今まで以上に県庁組織に問われてきます。これまでも、女性職員の環境改善を求める切実な声を具体化するのに、どれだけ多くの先輩や仲間が闘ってきた歴史があるかということを知ってもらうとともに、これから自らも参加して、これからの環境改善に取り組んで頂きたいものです。
 今、 安倍政権は「成長戦略」の一環として「女性活用」政策を打ち出し、「五年間で待機児ゼロ」「女性管理職の登用」「三年間の育児休業」などの綺麗事を掲げていますが、その実態は、女性の社会進出を後退させ、「女は家へ帰れ」政策ともいうべきものであると、和光大学教授でジャーナリストの竹信三恵子氏は、昨年の「世界」7月号で「安倍政権は裏声で『女は家へ帰れ』と歌う」と題して、「女性活用」政策の矛盾を検証されています。
 憲法24条「家庭生活における個人の尊厳と両性の本質的平等を定めた条文」を改悪し、「女性の活用」の背景にある「女性の負担」による政策の展開などを含む「日本を世界で一番企業が活動しやすい国」とする狙いを見据えた闘いが、求められているのではないでしょうか。



4月1日「諦めず消費税引き上げに抗おう」

 ここ数日は、消費税率が、5%から8%に引き上げられる話題ばかりです。
 そして、今日からいよいよ実施です。
 昨夜帰路によく立ち寄る近所のスーパーマーケットも、普段は客足も少ない時間帯であったが、どのレジも行列で店内もまとめ買いをするお客さんが多くいました。そして、交わされている言葉は「明日から消費税が上がるきね。」というもの。せめてもの庶民の策ではありますが、引き上げを積極に進めてきた人たちなどは、そんな心配もなしに今日を迎えていることでしょう。
 消費増税は「社会保障と税の一体改革」として、社会保障財源の確保、、将来につけを回さないためにといいながら、自民党と経済界の一体的政策の展開のための財源とされそうなことが明らかになるにつれ多くの国民は怒り始めています。
 そして、所得の少ない人ほど消費税の負担が重くなる「逆進性」によって、国民の多くがしわ寄せを受けるとともに、昨年から25年間にわたって復興特別所得税が増税となっている一方で、復興特別法人税の1年前倒し廃止によって企業優遇が行われます。
 「消費税増税の大ウソ」の共著者の一人である「暮らしと経済研究室」の山家悠紀夫さんが月刊「世界」3月号に掲載している「何のための「負担増」か?アベノミクスの1年とこれから」に次のような経済指標や経済実態例をあげて、アベノミクスの下では、これまでにも増して、政策の恩恵は企業に、その負担は国民にという動きが進行していくことになる三本の矢の流れを一日も早く断ち切ることを指摘しています。
●サラリーマン世帯の実質可処分所得は、2013年8月から4か月連続してマイナス
●正社員は前年同期比約30万人の減少、非正規社員は約80万人の増加、非正社員比率は37%に迫る
●年金給付額の引き下げ開始
●消費税増税(2014年4月に8%へ,15年10月に10%へ)
●社会保障制度における自己負担額の増加(医療費、介護費、サービス低下)
●法人税減税(1990年代の後半から法人税負担の軽減は、一般有権者・国民の負担増と並行して進展、2/3まで↓)
●企業と家計の税負担割合 1996年度が、37:63、2014年度が、25:75
●民間法人企業所得 1996年= 41.3兆円 ⇒ 2012年=45.9兆円(+11%)
●家計所得 1996年=307.9兆円 ⇒2012年=267.5兆円(▲13%)
 今こそ、消費税増税反対の国民的運動の再構築が求められています。